桜の蕾も膨らみ始め、日中は汗ばむほどの陽気の日も増えてきました。
海の中も少しずつ冬から春へと季節が進行しているのを感じます。
さて、今回のテーマは春の風物詩、「メバリング」のリベンジマッチです。
前回(2月の釣行)は雨とド干潮というバッドコンディションに泣かされましたが、3月下旬ともなれば水温も安定し、メバルの活性も上がっているはず。
「今度こそ、良型の春告魚(メバル)に出会いたい」
そんな期待を胸に、夜の明石・屏風ヶ浦海岸へと車を走らせました。
しかし、現場で待っていたのは、予想を上回る「春特有の難しさ」と、それを打破するための意外な「発見」でした。
今回は、メバル狙いからガシラ(カサゴ)攻略へとシフトし、ボウズを回避した実釣の様子を、状況判断や具体的なテクニックを交えてレポートします。
ポイント選定と「春の干潮」の落とし穴
今回選んだポイントは、明石エリアでも屈指の穴場スポット「屏風ヶ浦海岸」です。
石畳の突堤とテトラポッドが複雑に絡むこのエリアは、魚の隠れ家が多く、潮通しも良いため、メバルやガシラの魚影が非常に濃い場所です。
現地に到着すると、石畳の突堤先端にはすでに数名の先行者が。
やはり春のメバルシーズン、皆さん考えることは同じのようです。
無風・凪というメバリングには絶好のコンディションも相まって、期待値が高まります。
しかし、海を覗き込んで一つ懸念材料が浮上しました。「潮位」です。

釣行開始は21時前。
データ上では下げ潮のタイミングであることは把握していましたが、実際の現場は想像以上に潮が引いていました。
春の海は透明度が高く、光量がある場所では底が丸見えになるほど。
そして何より厄介なのが、春に爆発的に成長する「海藻(ホンダワラやワカメなど)」です。
潮位が下がったことで、普段は海中にある藻の森が水面直下まで迫り出し、ルアーを通せるコースが極端に限定される状況となっていました。
- 無風・凪(プラス要素)
- 低潮位・藻の繁茂(マイナス要素)
この相反する要素が、今回の釣行を難しく、そして面白いものにしていきます。
タックル戦略:藻場をかわすジグ単セッティング
複雑な状況こそ、仕掛けはシンプルに。
今回もジグヘッド単体(ジグ単)をメインに組み立てます。

- ロッド: 7フィート台のメバリングロッド
- リール: 2000番クラス
- ライン: PE 0.3号 + リーダー 1.5号
- ルアー: 1.0g~1.5g ジグヘッド + ストレート系ワーム

通常、表層に浮いたメバルを狙うなら1.0g以下の軽量ジグヘッドを漂わせるのがセオリーです。
しかし、今回は手前に藻が密集しており、あまりに軽いと操作感が失われ、気づけば藻ダルマ…というリスクがあります。
そこで、操作感を重視して1.5g前後を基準にスタート。
藻の隙間(ポケット)にタイトに落とし込みつつ、ウィード(藻)に引っ掛けては外す「ハングオフ」でリアクションバイトを誘う作戦も視野に入れます。
また、万が一の遠投や深場攻略用にバイブレーションプラグも忍ばせましたが、まずはワームで手堅く探りを入れることにしました。
沈黙の海:メバルからの反応がない理由
準備を整え、いざキャスト開始。
期待の第一投目は、藻の際スレスレを通してみますが、反応はありません。
「まだ魚が浮いていないのか?」
そう考え、カウントダウンを入れて中層、そしてボトム付近を探ります。
しかし、手前のテトラ帯周辺は藻のジャングル。
キャスト毎にフックが海藻を拾ってしまい、リズム良く探ることができません。
竿先を軽くあおって藻を切りながらリトリーブしますが、生命反応は皆無。
ランガン(場所移動)を繰り返し、少しでも潮が動いている場所や、藻の切れ目を探してキャストを続けますが、時間だけが過ぎていきます。
ライトで海面を照らすのはメバリングではNGですが、月明かりや街灯で照らされた海中は、やはり底が見えるほどのシャロー(浅場)状態。

ここまでクリアで浅いと、警戒心の強い良型メバルは沖の深場へ落ちているか、テトラの奥深くに入り込んでじっとしている可能性が高いです。
私のルアーが届く範囲には、やる気のあるメバルがいない、もしくは私の存在に気づいて口を使わない状況なのかもしれません。
前回の悪夢が頭をよぎります。「また、ボウズか…?」
逆転の発想:「見えガシラ」のサイトフィッシング
時計の針が進むにつれ、焦りが募ります。
このままメバルに固執してボウズで帰るか、それともプライドを捨てて「釣れる魚」を狙うか。
私は迷わず後者を選びました。
ターゲットを「ガシラ(カサゴ)」に変更し、ボトム(底)狙いにシフトします。
ジグヘッドを1.5gから2.0gへ変更。
底取りを確実にし、テトラの隙間や敷石の切れ目を丁寧に探ります。
しかし、ブラインド(見えない状態)でのズル引きにはなかなか反応がありません。
ふと、足元のテトラ際、水深わずか数十センチの場所に目を落とすと、そこには茶色い魚影が。
ガシラです。
しかも、じっと上を見上げて獲物を待っています。
「まさか、こんな浅いところに?」
通常、根魚は穴の奥に潜むものですが、この日はなぜかテトラの表面や浅い隙間に張り付いている個体が目視できました。
ここで、ルアーフィッシングでは邪道とも言える(?)「サイトフィッシング(見釣り)」を試みることに。
見えている魚は警戒心が高く釣れないのが定説ですが、食欲旺盛なガシラならあるいは…。
- アプローチ: 魚の視界の少し上、鼻先にワームを静かに落とす。
- アクション: 激しく動かさず、チョンチョンと微振動を与えるだけ。
- バイト: 魚がパクっと吸い込んだ瞬間に合わせる。
試してみると、答えは一瞬でした。
「パクッ!」 ルアーが口の中に消えたのを見てフッキング!
上がってきたのは、お腹がパンパンに膨れた良型のガシラ。

抱卵個体の可能性もあるため、優しくリリースを前提に扱います。
この一匹でパターンを確信しました。
そこからは、「テトラの隙間を覗き込む」→「ガシラ発見」→「鼻先に落とす」という、まるで宝探しのような釣りを展開。
このパターンが驚くほどハマり、立て続けにヒット。
メバルが不在(または沈黙)している中、ガシラだけは高活性で、果敢にルアーにアタックしてくれました。



「見えている魚は釣れない」という固定観念を捨て、目の前の状況に合わせて釣り方を変えたことが、この連発劇を生んだのです。
釣行のまとめと次なる展望
最終釣果はこのとおり。
- 釣果: ガシラ 5匹(メバルは0匹)
- ヒットパターン: 足元のテトラ際に潜む個体のサイトフィッシング
- 教訓: 干潮・クリアウォーター時は、足元の観察が重要
結果として、本命のメバルリベンジは果たせませんでした。
しかし、厳しい状況下でも「ボウズ」で終わらなかったのは、柔軟にターゲットを変え、足元の小さな変化(見えガシラ)を見逃さなかったからだと思います。
明石エリア全体ではメバルの釣果も聞こえているため、今回の敗因は「タイミング(潮位)」と「ポイント選定」のミスマッチでしょう。
次回は満潮からの下げ始めなど、潮位が高い時間帯を狙って再挑戦したいと思います。
海の中は確実に春めいています。
今回はジグ単の釣りでランガンとアクティブに動きましたが、次回は少し趣向を変えて、のんびりと「アナゴの投げ釣り」や、シーズンインが迫る「春イカ(親アオリイカ)」のエギング調査も計画中です。
釣りものが増えるこれからの季節、播磨の海はますます面白くなります。
皆さんも、釣り場に行かれる際はライフジャケットを着用し、ゴミは持ち帰るなどマナーを守って、春の釣りを安全に楽しんでくださいね。
それでは、また次回の釣行記でお会いしましょう!




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