【揖保川源流】真夏の渓谷で尺に迫る!イワナ・アマゴ新規開拓とトラブル回避の教訓

渓流釣り

梅雨が明け、本格的な夏が到来すると、平野部の河川は水温上昇とともに魚の活性が下がりがちです。

しかし、標高を上げた「源流域」は別世界。
冷涼な水、木漏れ日が差し込む美しい渓相、そして何より、まだ見ぬ美しい魚たちが釣り人を待っています。

今回は7月中旬、兵庫県の名川・揖保川水系のさらに奥、「源流域」を目指して車を走らせました。

目的はズバリ、新規開拓
人の入っていないパラダイスを求めて地図を読み解き、自分の足でポイントを探す。
これこそ渓流釣りの醍醐味です。

しかし今回の釣行は、開始早々に釣り人として「絶望的」なトラブルから幕を開けることになります。

良型イワナ・アマゴとの出会い、そして失敗から学んだ「源流釣行のリスク管理」について、実体験を交えてレポートします。

ちなみに前回の釣行記はこちら!

トラブル発生:源流で装備を失うという恐怖

気合十分の朝一番、その時悲劇は起きました。

先行者とのバッティングを避けるため、夜明けとともに現地へ到着。
「今日はどんな魚に出会えるだろうか」 そんな高揚感とともに薄暗い渓へ足を踏み入れました。

記念すべき第1投、そして第2投。
リールの挙動に違和感を覚え、手元を見るとスプール軸にラインが絡まっていました。

「よくあるトラブルだな」と軽く考え、川に立ち込んだままドラグノブを外し、絡まりを解こうとしたその瞬間です。

「ポチャン……」

手から滑り落ちたドラグノブは、無情にも速い流れに乗ってドンブラコ。
必死で探しましたが、白泡の中に消えた小さなパーツが見つかるはずもありません。

渓流釣り、特に源流域において「リールが使えない」というのは、釣りが続行不可能になることを意味します。

さらに今回は、替えのリールを持参していませんでした。
圏外の深山渓谷では、スマホで解決策を検索することもできません。

ここで私が犯したミスは2つ。

  1. 川に入ったまま精密パーツの着脱を行ったこと
  2. 予備のタックル(リール)を持っていなかったこと

どんなに些細なライントラブルでも、必ず川から上がり、「安全地帯」である陸上の平らな場所で作業する。
これが鉄則だと痛感しました。

また、源流釣行では何が起こるかわかりません。
予備のリール、あるいは予備のロッドを車に積んでおくことの重要性を身をもって学びました。

仕切り直し:Googleマップを駆使した「新規開拓」戦略

一旦山を降り、釣具店へ走ることも考えましたが、時間ロスが大きすぎます。
なんとか現場で応急処置を施し(※安全のため真似は推奨しません)、9時前にようやく釣りができる状態に復帰しました。

しかし、時はすでに9時。

最初に入りたかった有望ポイントには、すでに先行者の車が何台も停まっています。
さすがは人気河川の揖保川水系、日曜日のハイプレッシャーは避けられません。

ここで私は思考を切り替えました。
「人が多いなら、人が入らない場所を探せばいい」

スマホを取り出し、オフライン保存していたGoogleマップを眺めます。

  • 等高線の詰まり具合(落差があるか)
  • 林道からの距離(入渓できるか)
  • 本流との合流点

これらを頼りに、今まで足を踏み入れたことのない「名もなき支流」に狙いを定めました。

これが結果的に、素晴らしい出会いをもたらすことになります。

実釣レポート①:イワナの潜む「高低差のある沢」

最初に選んだのは、落差が大きく、大きな岩がゴロゴロしている支流です。
水量は少なめ。

「魚が着く場所が少ないかな?」と不安になりながら釣り上がります。

一見すると魚がいなさそうな浅瀬。
しかし、岩陰のわずかな深みにルアーを通すと、「ヒュン!」と黒い影が走りました。

「いる!」 魚の存在を確認できただけで、モチベーションは一気に最高潮へ。

同じポイントに対し、通すコースを変えてアプローチするとヒット。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

15cmほどの可愛らしいイワナでした。
サイズは小さくとも、読み通りに釣れた嬉しい1匹です。

さらに上流へと歩を進めます。
魚止めと思われる大きな落ち込みが現れました。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

「ここは絶対に主がいる」

そう確信し、白泡の中にルアーをキャスト。
激しい流れに負けないよう、少し重めのシンキングミノーを選択し、底波を転がすように誘います。

「ガツン!!」

明確なバイトとともにロッドが絞り込まれます。
流れに乗って暴れる魚をいなし、ネットに収まったのは24cmの良型イワナ

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

お腹がパンパンに膨れた、非常にコンディションの良い個体です。

実釣レポート②:アマゴが乱舞する「里川の支流」

続いて目をつけたのは、先ほどとは異なる短い支流。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

地図上では短すぎて見落としそうな川ですが、こういった場所こそ「竿抜け(他の釣り人が攻めていない場所)」になっている可能性があります。

入渓してすぐ、水深30cmほどの浅い瀬にルアーが着水した瞬間でした。

「ギラッ!」

水中で強烈な閃光が走ります。
反射的に合わせを入れると、先ほどのイワナとは違う、鋭く走るような引き!

慎重にやり取りをしてランディングしたのは、こちらも24cmの良型アマゴ

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

特筆すべきは、その魚体の美しさと太さです。
鮮やかな朱点、そして本流育ちかと思うほどの体高(幅広さ)。
こんな細い支流に、これほど立派な魚が潜んでいるとは……。

その後も小型中心ながら反応が途絶えず、まさにパラダイス。

この支流はイワナの姿はなく、アマゴの楽園となっていました。
「イワナの沢」と「アマゴの沢」。

わずかな距離で魚種が完全に入れ替わる、自然の神秘を肌で感じた瞬間です。

2023年夏・源流釣行のまとめと考察

3本目の支流にも入りましたが、こちらは反応なし。早々に脱渓しました。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

終わってみれば、朝一番の絶望的なトラブルから持ち直し、計5匹の釣果。

そして数以上に、「自分で地図を見て探し当てたポイントで、良型が出た」という経験は、釣り人として大きな財産になりました。

今回の釣果
  • イワナ:2匹(最大24cm)
  • アマゴ:3匹(最大24cm)

ベイトフィッシュとサマーパターン

持ち帰った魚の胃の内容物を確認したところ、セミや甲虫類がたくさん出てきました。

夏本番、魚たちは水面に落ちる昆虫(テレストリアル)を積極的に捕食しています。

ルアーで狙う場合も、水面直下を意識したり、着水音を虫に似せてアピールしたりするメソッドが有効になりそうです。

夏の渓流釣りにおける注意点

源流域とはいえ、日中の暑さは過酷です。

夢中で釣り上がっていると水分補給を忘れがちになりますが、熱中症対策は必須。
また、今回のように予期せぬトラブルは必ず起きます。

  1. 予備のロッド・リールを必ず車に積む。
  2. 道具のメンテナンスや調整は、必ず安全な場所で行う。

これらを忘れすに釣行に臨みたいと思います。

揖保川の渓流シーズンも残りわずか。
有名ポイントで大物を狙うのも良いですが、地図を片手に「自分だけの秘密の沢」を探す冒険に出てみてはいかがでしょうか? そこにはきっと、宝石のような魚たちが待っているはずです。

使用タックルデータ

ヒットルアー:シンキングミノー 50mm(アユカラー、ヤマメカラー等)
ロッド:トラウト用ショートロッド 5ft前後
リール:2000番クラス
ライン:PE 0.6号 + フロロリーダー 5lb

コメント

タイトルとURLをコピーしました