新生活が始まる4月。
桜の開花と共に心が浮き立つ季節ですが、釣り人にとっては「三寒四温」に翻弄され、釣果が安定しない難しい時期でもあります。
「せっかくの休日、魚の顔が見たい。でも、ボウズ(1匹も釣れないこと)は避けたい…」
そんな時こそ、「穴釣り」の出番です。
テトラポットや石畳の隙間に潜む根魚(ロックフィッシュ)を狙うこの釣りは、魚がいれば高確率で反応が返ってくる、まさに「裏切らない釣り」。
今回は、兵庫県明石市の人気スポット「江井島海岸」を舞台に、短時間でしっかりと釣果を出すためのポイント選びや、あえて「おもちゃのような竿」を使う楽しみ方、そして干潮時ならではの攻略メソッドを徹底解説します。
家族サービスの間隙を縫って楽しむ、45分間の濃密な釣行レポートをお届けします。
今回のポイント「明石・江井島海岸」が穴釣りに最適な理由

今回フィールドに選んだのは、明石市の江井島(えいがしま)海岸。
江井島漁港に隣接するこのエリアは、釣り人だけでなく、地元の人々の憩いの場としても知られています。
なぜここが穴釣り、そしてファミリーフィッシングにおすすめなのか。その魅力を深掘りします。
江井島海岸の最大の特徴は、その景観です。
海岸沿いにはヤシの木などの南国風の植物が植えられており、晴れた日にはリゾート地のような雰囲気が漂います。
美しい砂浜と整備された遊歩道(播磨サイクリングロード)があり、ロケーションは抜群。
また、釣り人にとって嬉しいのが駐車場の存在です。
台数は4台程度と限られますが、無料で駐車可能なスペースがあります(※満車の場合は近隣のコインパーキングをご利用ください)。
トイレも整備されているため、女性や小さなお子様連れでも安心して滞在できるのが大きなメリットです。
この日も、テントを張ってくつろぐ家族連れや、バーベキューを楽しむグループで賑わっていました。
写真映えするスポットも多く、釣りをしない時間も心地よく過ごせます。
釣り場としてのポテンシャルも一級品です。
一見、遠浅の砂浜に見えますが、護岸沿いには石畳やテトラポットが複雑に入り組んでおり、ここが根魚たちのマンションになっています。
- ムラソイ
- タケノコメバル
- ガシラ(カサゴ)
- メバル
- アナハゼ
- クジメ
これだけの魚種が、足元の隙間に潜んでいます。
多くの釣り人は突堤の先端から沖に向かって投げ釣りをしていますが、実は「足元」こそが竿抜けポイント(誰も狙っていない穴場)なのです。
あえて「おもちゃ」で挑む!究極のライト・穴釣り仕掛け
穴釣りには「ブラクリ」という専用のオモリを使うのが一般的ですが、今回はあえてさらにシンプルに、そしてゲーム性を高めたスタイルで挑みました。

今回使用したタックル(道具)は、通称「ペンロッド」。
折りたたむとペンのように小さくなり、ポケットにすっぽり収まるおもちゃのような竿とリールのセットです。
「そんな道具で釣れるの?」と思われるかもしれませんが、実は穴釣りにおいてはこの短さが最強の武器になります。
足元の狭い穴に仕掛けを落とす際、長い竿では取り回しが不便ですが、ペンロッドなら自由自在。
何より、ペラペラの竿で魚を掛けた時のダイレクトな引き味は、高級ロッドでは味わえないスリルと興奮があります。
雑に扱っても意外と壊れないタフさも、岩場を歩く穴釣りには適しています。
仕掛けの構成は以下の通りです。
- ライン: ナイロン2号(直結)
- ルアー: ジグヘッド2号
- エサ: パワーイソメ(人工エサ)
本来は根掛かりしにくいブラクリ推奨ですが、手持ちがない場合はジグヘッドでも代用可能です。そして重要なのがエサ。本物のイソメ(虫エサ)ではなく、ブルーベリーの香りがする人工エサ「パワーイソメ」を使用しました。

- 手が汚れない・臭くない
- ちぎれにくく、エサ持ちが良い
- 保存が効くので、いつでも使える
短時間勝負の穴釣りにおいて、エサ付けの時間を短縮できるのは大きなアドバンテージです。ポケットに竿とパワーイソメだけを入れて釣り場に向かう。この「究極の手軽さ」こそ、今回のスタイルの真髄です。
釣果を伸ばす核心!「ド干潮」を狙い撃つ攻略メソッド
「穴釣りをしてもなかなか釣れない」
という方は、もしかすると行く時間を間違えているのかもしれません。
私が江井島で穴釣りをする際、絶対に外さない条件が「ド干潮(潮が引ききった時間)」です。

通常、海釣りは潮が満ちてくる時間を狙うのがセオリーですが、穴釣りは逆です。
- 隠れた穴が出現する: 満潮時には水没していた石畳の奥深くや、テトラの基礎部分が、潮が引くことで露出します。普段誰も攻めることができない「秘境の穴」に、直接仕掛けを落とせるようになります。
- 魚の密度が濃くなる: 水位が下がると、魚たちは水が残っている深い穴や隙間に集結します。つまり、ポイントが絞り込まれ、魚と出会う確率が格段に上がるのです。
今回も狙ったのは16時頃。
潮位表を確認し、しっかり潮が引いているタイミングを選びました。
予想通り、普段は海面下にある石畳の隙間が口を開けて待っていました。
実釣時間は、家族との予定もあり45分一本勝負。
海を覗くと、メバルの稚魚やボラの群れが見え、春の海の生命感に満ちています。
穴釣りの極意は「粘らないこと」。
良さそうな穴を見つけたら仕掛けを落とす。
着底したらチョンチョンと誘う。
根魚は貪欲なので、そこにいれば数秒で「ガツン!」と食ってきます。
逆に、反応がなければそこには留守か、食い気がないと判断し、すぐさま次の穴へ移動します。
この「ラン&ガン(移動を繰り返す)」スタイルが数を伸ばすコツです。
開始早々、石畳の隙間に落とすとすぐにヒット!
姿を見せたのは小さなムラソイ。
抜き上げでポロリと外れてしまいましたが、魚がいることは確信できました。
実釣レポート:45分で4匹!根魚との濃密な駆け引き
気を取り直して、少し奥まった暗い穴へ再投入。
着底と同時に、手元に明確な振動が伝わります。
「ググッ!」
すかさずアワセを入れると、ペンロッドが大きくしなります。
上がってきたのは、お腹がパンパンに膨れたムラソイ。


おそらく抱卵個体でしょう。潮が引いてお腹を空かせていたのか、ものすごい勢いで食いついてきました。
その後もコンスタントにアタリが続きます。
次に顔を見せてくれたのはタケノコメバル。

その名の通り、タケノコの皮のような模様が美しい魚です。
このエリアにはタケノコメバルの幼魚が多く生息しており、果敢にルアーにアタックしてきます。
根魚は口が大きいため、2号のジグヘッドでも丸呑みにしてきます。
途中、30cmクラスと思われる強烈な引きもありましたが、残念ながらフックアウト。
針先が鈍っていたのかもしれません。
穴釣りは根掛かりが多い釣りなので、針先のチェックはこまめに行うべきという教訓を得ました。
45分という短い時間でしたが、結果は以下の通り。
- ムラソイ:2匹
- タケノコメバル:2匹
- バラシ(逃した魚):多数
短時間・軽装備・近場という条件を考えれば、十分すぎるほど楽しめました。
これが、他の釣りではなかなか味わえない穴釣りの「安定感」です。
釣り上げた根魚たちは、子供たちと一緒に観察した後、すべて海へリリースしました。
根魚は成長が非常に遅い魚です。
20cmになるのに数年かかることもあります。
釣り場を枯渇させないためにも、小さな魚や抱卵している個体は、優しくリリースすることを心がけたいですね。「大きくなってまた遊んでね」と願いを込めて海へ帰しました。
釣行のまとめ:やはり明石の穴釣りは裏切らない

今回の釣行で改めて感じたのは、「穴釣りは最強の癒やしである」ということです。
高度なテクニックも、高価な道具も必要ありません。
必要なのは、足元の隙間を覗き込む好奇心と、少しのタイミング(潮位)を見極める目だけ。
前回、メバリング(メバルのルアー釣り)で悔しい思いをしましたが、今回の穴釣りでその鬱憤を完全に晴らすことができました。
これから暖かくなり、海の中もますます賑やかになってきます。
「最近釣れていないな」「子供に魚を釣らせてあげたいな」と思ったら、ぜひ明石の海で、足元の穴を覗いてみてください。
そこには裏切らない魚たちが待っています。
次回は、夜の投げ釣りで大物アナゴを狙う釣行を計画中です。
そちらのレポートもお楽しみに!
※本記事で紹介した釣り場情報
場所: 兵庫県明石市 江井島海岸
駐車場: あり(無料・数台)
トイレ: あり
おすすめターゲット: ガシラ、メバル、ソイ、アイナメ等



コメント