朝晩の冷え込みが厳しくなり、海の中も徐々に冬の気配が漂い始める10月下旬。
「もう今年のエギングは終わりかな?」と竿を納めてしまうアングラーも多いのではないでしょうか。
しかし、断言します。
エギングの醍醐味は、むしろここからです。
新子(赤ちゃんイカ)が減り、ライバルたちが漁港から去った後こそ、生き残って賢く成長した「良型アオリイカ」との知恵比べが楽しめる最高のシーズンの到来です。
今回は、激流で知られる兵庫県・明石エリア(江井ヶ島漁港周辺)を舞台に、晩秋のアオリイカ攻略戦をお届けします。
プレッシャーが高く、潮の流れが速いこのエリアで、いかにして胴長23cmクラスの良型を引き出したのか。
その「場所選び」「エギの選択」「潮の読み方」について、実釣レポートを交えて詳しく解説していきます。
この記事を読み終わる頃には、きっとあなたも防寒着を着込んで海へ走りたくなるはずです。
シーズン終盤戦!江井ヶ島周辺の状況と戦略
10月20日、金曜日。
週末の混雑を避け、仕事終わりの夕マズメを狙って明石市西部に位置する「江井ヶ島」周辺へ向かいました。
釣り人が減る時期こそ「ランガン」の好機
9月のハイシーズンには、足の踏み場もないほど釣り人で溢れかえっていた堤防も、10月後半ともなると閑散とし始めます。
これはエギンガーにとって、実は最大のチャンス。
「場所移動(ランガン)」がし放題だからです。
この時期のアオリイカは、これまでの数ヶ月間で多くのエギを見切ってきた猛者たち。
一箇所で粘るよりも、潮の動きに合わせてフレッシュなイカがいるポイントを次々と叩いていくスタイルが釣果への近道となります。
この日のフィールドコンディション
- 天候: 晴れ
- 風: 北西の風(やや強い)
- 潮: 中潮(下げ潮が効いている時間帯)
今回のポイントは、潮通しの良い外海向きのテトラ帯。
明石エリア特有の「激流」が絡むポイントです。
一般的にエギングでは風と速い潮は天敵とされますが、良型のアオリイカは潮通しの良い場所を回遊し、ベイト(餌)を待ち構えています。
あえて難易度の高いエリアを選んだ理由は一つ。
「サイズ狙い」です。漁港内の穏やかな場所に残っている個体よりも、外洋の潮に揉まれている個体の方が、圧倒的にコンディションが良いからです。
激流攻略の鍵は「2.5号」?実釣レポート
午後4時、実釣開始。
まずは海の状況を確認します。
予報通り北西の風が強く、ラインメンディング(糸の管理)に神経を使う状況です。
さらに、明石海峡の影響を受けるこのエリアは、川のように潮が流れています。
常識を疑う「エギのサイズ選び」
通常、この時期(10月下旬)で良型を狙うなら、エギのサイズは3.0号〜3.5号がセオリーです。
大きなエギでアピールし、フォール時間を稼ぐのが一般的です。
しかし、この日私が選択したのは「2.5号」のエギ(ムラムラチェリー)でした。
なぜ、あえてサイズを落としたのか? 理由は3つあります。
- ベイトサイズへのマッチング: 堤防際に見える小魚のサイズが小さかったこと。
- プレッシャー対策: シーズンを通して叩かれ、大きなシルエットのエギに警戒心を抱いているイカへの対策。
- 潮噛みの良さ: 激流の中で3.5号を使うと、水の抵抗を受けすぎてエギが暴れてしまうことがあります。2.5号のシルエットで、かつ潮に馴染ませて「自然に流す(ドリフトさせる)」狙いがありました。
苦戦のち、歓喜のヒット
開始からしばらくは、強風と激流に翻弄され、アタリを取りづらい時間が続きました。
エギが何をしているか分からない状態では、釣れるものも釣れません。
そこで、立ち位置を微調整し、風を背中から受けるポジションへ移動。
さらに、潮がテトラに当たってヨレている(流れが緩んでいる)ピンポイントを見つけ、そこへエギを流し込みました。
「トンッ」
竿先ではなく、ラインを通して手元に伝わる微かな違和感。
即座に合わせを入れると、「グィーーーン!」というジェット噴射特有の重量感がロッドに乗りました。
「これはデカイ!」
新子サイズとは明らかに違う、ロッドを絞り込む引き。
慎重にリールを巻き、テトラにラインが擦れないよう注意しながら寄せます。
タモ網ですくい上げたのは、胴長23cmの立派なアオリイカでした。


パターンを掴んで連発
1杯釣れれば、そこには再現性があります。
「潮のヨレ」+「2.5号エギのドリフト」 このパターンを確信し、同じ攻め方を繰り返します。
結果、短時間で合計4杯のアオリイカをキャッチすることに成功。
周りの釣り人が苦戦する中、独自の仮説と戦略がハマった瞬間の快感は、エギングの最大の魅力と言えるでしょう。
今回のようなテトラ帯での釣りは、足場が不安定で危険を伴います。
必ずライフジャケットと、滑りにくいスパイクシューズ等を着用しましょう。
単独釣行の際は、家族に行き先を告げておくなどの配慮も忘れずに。
安全第一で楽しむことが、長く釣りを続けるコツです。
晩秋の恵みを食す!アオリイカの絶品料理
釣りの後は、もう一つの楽しみ「食」の時間です。
アオリイカは「イカの王様」と呼ばれるほど、甘みが強く上品な味わいが特徴。

特に秋に釣れるこのサイズは、身の厚みと柔らかさのバランスが絶妙で、市場では高値で取引される高級食材です。
釣り人の特権「釣りたて」を味わう
帰宅後、丁寧に下処理を行います。
釣ってすぐに「締め」て持ち帰ったイカは、透明感が違います。
今回の献立はこちら。
- アオリイカのお造り(刺身)
- アオリイカの握り寿司
- ゲソとエンペラのバター醤油炒め


成長したイカならではの「甘み」
23cmクラスになると、身にしっかりとした厚みが出てきます。
包丁を入れる際、隠し包丁(飾り包丁)を細かく入れることで、醤油の乗りが良くなるだけでなく、口に入れた瞬間の甘みの広がり方が段違いになります。
薄皮をはがすのも手間ですがお忘れなく!
一口食べると、ねっとりとした食感の後、濃厚な甘みが口いっぱいに広がります。
スーパーで売っているイカとは次元の違う旨味。
これがあるから、寒空の下での釣行も辞められません。
お酒のアテとしても、ご飯のお供としても最高のご馳走となりました。
まとめ:晩秋のエギングは戦略で攻略する
今回の釣行を通して、シーズン終盤の明石エリアにおけるエギング攻略のポイントが見えてきました。
今日の釣果から学ぶ「勝利の法則」
- 諦めない心: 釣り人が減ってもイカはいます。むしろ大型化しています。
- 潮を読む: 闇雲に投げるのではなく、潮の「ヨレ」や「変化」を見極める観察眼が必要です。
- 柔軟なエギ選び: 「秋の深まり=大きなエギ」という固定観念を捨て、状況に応じて2.5号などの小型エギを投入する柔軟性が釣果を分けました。
最後に
「最近釣れないな」と悩んでいる方は、ぜひ一度、あえてエギのサイズを落とし、潮の流れを意識した釣りを試してみてください。
成長した賢いアオリイカとの駆け引きは、数釣りシーズンとは違った深い面白さがあります。
明石の海は、まだまだ熱いシーズンが続いています。
しっかりと防寒対策をして、あなたもメモリアルな一杯を狙いに行ってみてはいかがでしょうか?




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