秋の夜風が心地よい季節、いよいよエギングシーズンの最盛期がやってきましたね。
明石周辺の海は今、アオリイカを追いかける熱心なアングラーたちで連日賑わいを見せています。
夜空に浮かぶ美しい月、対岸に見える淡路島の灯り、そして心を落ち着かせる波の音……。
ロケーションだけでも最高なこの季節ですが、海の中はまさに「食欲の秋」。
好奇心旺盛で高活性なアオリイカとの駆け引きは、何度味わっても胸が高鳴ります。
今回の舞台は、神戸市垂水区の「西舞子」エリア。
しかし、この日は予報通りの「爆風」。
エギンガーにとっては最も厄介なコンディションです。
「この風じゃ釣りにならないかも……」
そう諦めてしまう前に、少しだけ戦略を変えてみませんか?
今回は、強風というタフな状況下でも、場所選びとエギのカラーローテーションを駆使して5杯のアオリイカを引き出した「現場のリアルな思考」をお届けします。
西舞子漁港での繊細な釣りから、荒れたサーフでの大胆な攻めまで。
次の釣行で役立つヒントが必ずあるはずです。
それでは、爆風の夜のドラマを振り返ってみましょう!
釣行開始:穏やかな漁港で「スレたイカ」を攻略する
この日は夕方から、明石海峡大橋のライトアップが美しい西舞子海岸周辺へエントリーしました。(※記事執筆時より少し前の釣行記録です)

現地に到着すると、予想通り西からの強い風が吹き抜けています。
エギングにおいて、横風は天敵。
ラインが風に煽られると、エギの着底が分からなくなるだけでなく、不自然な動きをしてイカに警戒されてしまうからです。
そこでまずは、「風の影響を最小限に抑えられる小さな漁港」からスタートすることにしました。
堤防などの遮蔽物がある漁港内は、外海が荒れていても水面は比較的穏やか。
月明かりに照らされた静かな港内は雰囲気も抜群です。
時折、ピチャッと小魚が追われる音が響き、アオリイカの気配が濃厚に漂っています。
最初にチョイスしたのは、YAMASHITAのエギ王K 2.5号、カラーは超実績カラーの「ムラムラチェリー」。
このケイムラ発光と派手なピンクカラーは、薄暗い時間帯や、まず「ここにエギがあるぞ!」とイカに気づかせたい時に絶大な威力を発揮します。
港内の水質は非常にクリア。
キャストして軽くしゃくりを入れると、サイトフィッシング(見えイカ狙い)ができる距離まで数杯のアオリイカがワラワラと追尾してきました!
「よし、活性は高い!」 そう確信し、フォールで抱かせにかかりますが……ここで予想外の反応。
エギに興味を持って近づいてくるものの、あと数センチのところで「プイッ」と見切って帰っていくのです。
何度もアタックしてきますが、どうしても抱ききらない。
これは、連日の釣り人によるプレッシャーでイカが警戒している「スレ」の状態、もしくはクリアな水質すぎて派手なカラーに違和感を感じている可能性があります。
こういった場合は「気づかせる釣り」から「食わせる釣り」へシフトが必要です。
そこで取り出したのが、同じくエギ王の「ルナホワイト」。
このカラーの特徴は、発光を抑えたパール系のボディ。
月夜や常夜灯周りの澄み潮において、シルエットをぼやけさせ、ベイトフィッシュ(小魚)のように自然に馴染ませることができます。
この選択が、まさに的中しました。
キャスト後、派手なアクションを控えて優しくフォールさせると、先ほどまで見切っていたイカの反応が一変。
迷うことなくスッとエギの後ろに回り込み、触腕を伸ばしました。
「グッ」
手元に伝わる重量感。
すかさずアワセを入れると、12cmほどの可愛らしいサイズですが、本命のアオリイカをキャッチ!

その後も同じパターンでもう1杯追加。
- クリアウォーター × スレたイカ = ナチュラルカラー(白系・スケルトン系)
- 追ってくるが見切られる時は、エギのサイズを下げる前に「カラーのトーン」を落とすのが有効です。
しかし、港内で釣れるのはこのサイズが限界のようでした。
数釣りは楽しめそうですが、やはり「秋の良型」に出会いたい。
風は強いですが、サイズアップを求めて環境を変える決断をしました。
風と波の砂浜での挑戦:アピール力で「荒波」を制す
次に向かったのは、漁港の外に広がるオープンエリアの砂浜(サーフ)です。
ここは遮るものが一切なく、西からの強風と波がダイレクトに打ち寄せます。
「ザッパーン!」と波音が響き、立っているだけで服が煽られるほどのバッドコンディション。
多くの釣り人が敬遠して帰ってしまうような状況ですが、実はここからが本番です。
なぜなら、波気がある場所ほど、警戒心の強い良型アオリイカがベイトを追って浅場に入ってくる可能性が高いからです。
この状況で重要なのは、「ラインを水面から離さないこと」です。
キャスト後、すぐにロッドティップ(竿先)を海面ギリギリまで下げ、風に煽られるPEラインを強制的に水に浸けます。
こうすることで、風の影響を減らし、エギを安定してフォールさせることができます。
先ほど漁港で好調だった「ルナホワイト」を投げましたが、ここでは全く反応がありません。
理由は明白。
白波が立つ砂浜では、ナチュラルなホワイトカラーは海の色に同化してしまい、イカから発見されにくいのです。
「荒れた海では、まず見つけてもらうことが最優先」
ここで再び、アピール力最強クラスの「ムラムラチェリー」に戻します。
ケイムラ発光と濃いシルエットは、サラシ(白泡)の中でもしっかりと存在を主張してくれます。
風を計算に入れ、風上に向かってキャスト。
ラインが風に押されてドリフト(横移動)するのを計算しながら、底付近を意識して探ります。
すると数投目。 風に持っていかれそうになるラインが、不自然に「フッ」と止まりました。
「来た!」
反射的にロッドを立てると、ズシッとした重みが乗ります。
波の抵抗も相まって引きは強烈!
慎重に寄せ、波打ち際でランディングしたのは、16cmクラスの良型アオリイカ。

狙い通りの場所で、狙い通りのエギで獲った一匹。
この達成感こそエギングの醍醐味です。
最後の一撃:「軍艦グリーン」でスレイカと勝負を決める
さらに追加を狙ってキャストを続けますが、時間が経つにつれて風はさらに強まり、爆風レベルに。
波も高くなり、エギの操作感が手元から消えそうになります。
「ムラムラチェリー」でアピールはできていますが、荒れすぎてエギが安定せず、イカが抱ききれないのかもしれません。
ここで、私のタックルボックスの最終兵器、「軍艦グリーン」を投入します。
エギンガーの間で「餌(エサ)」とも呼ばれるこのカラー。
特徴は、海藻に馴染む「グリーン」の背中と、シルエットをはっきり出す「赤テープ」の下地です。
- 赤テープ: 夜間やローライト時、光量が少ない海中でもシルエットが黒く浮き出て、イカから視認しやすい。
- グリーンバック: 違和感を与えないナチュラル色。
つまり、「しっかり見えるのに、警戒させない」という矛盾を両立させたカラーなのです。
この荒れた状況で、しっかりと底を取り、イカにシルエットを見せつつも違和感なく抱かせることができるのは、このエギしかありません。
風に負けないよう、低弾道のライナーでキャスト。
着底までのカウントを普段より長く取り、しっかりとボトム(海底)を感じ取ります。
「トン、トン」としゃくり上げた後のテンションフォール中、竿先がグーッと絞り込まれました。
「抱いた!!」
風切り音を切り裂くようなドラグ音。
上がってきたのは、今日一番の元気なアオリイカ(16cm)。

この「軍艦グリーン」への変更が、この日のラストスパートを決定づけました。
波の合間を縫うようにキャストを続け、さらに2杯を追加。


最終的な釣果は、
- ムラムラチェリー:1杯
- ルナホワイト:2杯
- 軍艦グリーン:3杯(※サイズ・数ともに竿頭)
合計5杯。
最後の1杯は納竿直前のドラマで、爆風の中で手にしたズッシリとした感触は、忘れられない記憶となりました。
エギ選びと今後の釣行に向けて:まとめ
今回の釣行で改めて痛感したのは、「状況に合わせたエギのカラーローテーション」の重要性です。
もし、最初に漁港で「ムラムラチェリー」を投げ続けていたら、スレたイカは釣れなかったでしょう。
逆に、砂浜で「ルナホワイト」に固執していたら、波の中のイカには気づいてもらえなかったはずです。
【今回の勝利の方程式】
- 穏やか&澄み潮 → 「ルナホワイト」で違和感なく抱かせる。
- 荒れ模様&広範囲 → 「ムラムラチェリー」でまず発見させる。
- タフコンディション&食わせ → 「軍艦グリーン」でシルエットを強調しつつ確実に食わす。
「風が強いから釣りに行かない」というのはもったいない。
安全確保は第一ですが、風裏を探したり、風を利用する立ち回りを覚えたりすることで、ライバルが少ないパラダイスを見つけることができます。
西舞子周辺だけでなく、明石エリア全体でアオリイカはまだまだ成長中。
これからはさらにサイズアップし、トンカツサイズ〜新子サイズ卒業クラスが狙える時期に入ります。
次回の釣行では、3号エギも交えながら、さらなる大物を狙ってみたいと思います。
みなさんも、ぜひタックルボックスに「派手系」「ナチュラル系」「赤テープ系」の3種類を忍ばせて、秋の海に出かけてみてください。
きっと、素晴らしい出会いが待っているはずです。
今回のタックルデータ
ロッド: エギングロッド 8.3ft MLクラス
リール: スピニングリール 2500番(ハイギア)
ライン: PE 0.6号 + フロロリーダー 2.0号
ヒットエギ: * YAMASHITA エギ王K 2.5号(ムラムラチェリー、軍艦グリーン)



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