6月に入り、日中は汗ばむほどの陽気になってきましたね。
梅雨の足音が聞こえてくるこの季節、私たちアウトドア好きにとって見逃せない「夜の楽しみ」があります。 そう、「ホタル観賞」です。
私が住む明石・播磨エリアの市街地でも、人工飼育されたホタルが見られる場所はあります。
しかし、今回皆さんにお伝えしたいのは、そんなレベルではありません。
「視界いっぱいに広がる、天然の光の乱舞」です。
今回は、2024年6月に家族で訪れた兵庫県多可町の「野間川」でのホタル観賞レポートをお届けします。
「ホタル祭りの混雑は避けたい」「子どもに本物の自然を見せたい」 そんな方にこそおすすめしたい、とっておきのスポット情報と、絶対に失敗しない観賞のコツをまとめました。
日本の原風景が残る場所。ホタルが舞う「条件」とは?
まず、なぜ今回「多可町」を選んだのか。
それは、ここがホタルにとっての**「理想郷」だからです。
日本で見られる代表的なホタルは「ゲンジボタル」「ヘイケボタル」「ヒメボタル」の3種類。
中でも今回狙うのは、体が大きく、強くあざやかな光を放つ「ゲンジボタル」です。
彼らが乱舞するためには、以下の厳しい条件が揃っている必要があります。
- 街灯が少なく、月明かり以外の人工的な光がないこと
- 護岸がコンクリートで固められておらず、土や草木が残っていること
- 水流が穏やかで、餌となる「カワニナ」が豊富な清流であること
近年、河川改修によってこうした環境は激減しました。

しかし、多可町を流れる野間川には、まだこの「日本の原風景」が色濃く残っています。
昔、祖母の家(加古川下流域)で見たという景色も今は昔。
現代において、これだけの自然条件が揃った場所は、兵庫県内でも非常に貴重な存在なのです。
目指すは多可町「野間川」。子連れに最強のスポットはここ!
今回私たちが目指したのは、多可町八千代区俵田(たわらだ)地区を流れる野間川エリアです。
巻き寿司で行列ができる「マイスター工房八千代」の近くと言えば、ピンとくる方も多いかもしれません。
このエリア一帯は、シーズンになれば川沿いのどこでもホタルが見られます。
しかし、私が特に「お子様連れ」におすすめしたいのが、「フロイデン八千代」周辺です。
真っ暗な夜の川遊びは危険が伴いますが、このスポットには3つの安心ポイントがあります。
- 駐車場が開放されている
ホタル観賞シーズンに合わせて、施設が駐車場を開放してくれています(※協力金等の料金がかかる場合があります)。路駐トラブルを避けるためにも、正規の駐車場があるのは非常に心強いです。 - 安全対策が万全
川沿いに遊歩道が整備されており、転落防止の柵が設置されています。小さなお子さんが夢中になって走り回っても、川に落ちるリスクを大幅に減らせます。 - 観賞しやすい視点
基本的には対岸を飛ぶホタルを眺める形になりますが、少し距離がある分、川全体が光の帯になるパノラマビューを楽しめます。
「もっと間近で、手にとまるような距離で見たい!」
という方は、遊歩道を歩いて橋の上へ移動するのがおすすめ。視界を遮るものがない橋の上からは、まるで光の川に浮いているような没入感を味わえます。
【現地レポ】いざ、ホタル観賞!光が包む幻想的な夜
現地に到着したのは20時前。
ホタル観賞において、時間の選定は非常に重要です。
ホタルが最も活発に飛び交うのは20時〜21時頃と言われています。
早すぎても明るくて見えず、遅すぎると活動が鈍ります。
20:00 観賞スタート
辺りが闇に包まれ始めると、草むらの中からポツリ、ポツリと黄色い光が灯り始めました。
「あ!ホタル!あそこにおった!」 子どもたちの興奮した声が響きます。
周りにも同じように家族連れが訪れており、暗闇の中で感動を共有する温かい空気が流れていました。
20:30 乱舞のピークへ
目が暗闇に慣れてきた頃、風景が一変しました。
草木に止まっていたホタルたちが一斉に飛び立ち、ふわ〜っ、ふわ〜っと独特の軌道を描いて舞い始めたのです。
虫の声と川のせせらぎだけが響く中、無数の淡い光が明滅する。
ただそれをぼーっと眺める時間は、何物にも代えがたい贅沢です。
都会の喧騒や日々の仕事の疲れが、すーっと浄化されていくような感覚。
これこそが、わざわざ車を走らせてここまで来る理由です。
スマホ撮影の壁と、肉眼の感動
ここで一つ、皆さんに正直にお伝えしておきたいことがあります。
「ホタルの写真は、めちゃくちゃ難しい」です。(笑)
最近のスマホやミラーレス一眼は高性能ですが、ホタルの微弱な光を捉えるには、三脚での固定や長時間露光(シャッタースピードを遅くする設定)が必須です。
「肉眼ではこんなにすごいのに、写真に撮ると真っ暗!」というのはホタル観賞あるある。
私もつたない腕で撮影に挑みましたが、やはり肉眼で見る「あの幽玄な美しさ」の半分も伝えきれません。
だからこそ、あえて写真はそこそこに、「心のシャッター」を切ることに集中することをおすすめします。



特にゲンジボタルの大きく強い光の跡は、写真よりも記憶に鮮烈に残ります。
豆知識:ホタルの種類と匂い

ちなみに、今回見られたのはゲンジボタル。
見分け方は背中(前胸部)の黒い模様です。
- 十字の模様:ゲンジボタル(大型、光が強い)
- 一本線:ヘイケボタル(やや小型)
また、意外と知られていないのが「ホタルの匂い」。
もし運良く手にとまったら、そっと匂いを嗅いでみてください。
なんとも言えない独特の香り(少し青臭いような?)がします。
これもまた、図鑑や動画では分からない、現地体験ならではの発見です。
来シーズンに向けてのまとめ:マナーを守って美しい光を
正直なところ、今回訪れたタイミングは「乱舞のピーク」には少し早かったかもしれません。
それでも、十分に感動的な光景に出会えました。
帰路、車を止めて安全な場所から野間川の他のポイントも覗いてみましたが、かなりの広範囲でホタルを確認できました。
有名な鑑賞スポット以外でも、「街灯がない」「水がきれい」「草むらがある」場所を見つければ、そこがあなただけのプライベート観賞スポットになるかもしれません。
最後に、この美しい景色を来年も、再来年も楽しむために、私たち人間が守るべきマナーをお伝えします。
- 強い光を当てない
ホタルは光でコミュニケーションをとっています。懐中電灯やスマホのライト、カメラのフラッシュを向けるのは厳禁です。足元を照らすライトも、必要最小限にし、川面に向けないようにしましょう。 - 捕まえて持ち帰らない
ホタルの成虫の寿命はわずか1〜2週間。その短い期間に命を燃やして繁殖活動をしています。子どもが捕まえたがっても、「ここで見るだけにして、お家に帰してあげようね」と教えてあげてください。 - 近隣住民への配慮
観賞スポットの多くは、静かな集落の中にあります。大声で騒いだり、路上駐車で通行の妨げにならないよう、十分な配慮をお願いします。
多可町の野間川は、大人にとっては癒やしの場、子どもにとっては一生忘れられない「自然の教室」です。
1年でわずか1ヶ月ほどの儚い光のショー。
ぜひ皆さんも、マナーを守って楽しんでみてください。
※注釈
本記事の情報は2024年6月時点のものです。ホタルの飛翔状況は気象条件により大きく変動します。また、駐車場や現地の規制情報は変更になる可能性があるため、お出かけの際は多可町の観光協会公式サイト等で最新情報をご確認ください。
おすすめの関連記事





コメント