9月1日。
渓流釣り師にとって、それは一年の終わりを告げる少し寂しい日付です。
河川によって違いがありますが、兵庫県・播磨地域を流れる名川「揖保川」も、8月31日をもって禁漁期間に入ります。
今回は、2023年シーズンの締めくくりとして、揖保川水系・引原川上流へ「納竿(のうかん)」に行ってきました。
結論から申し上げますと、「有終の美」を飾るにふさわしい、最高の釣行となりました。
前日までの雨で川は増水し、一見すると厳しいコンディション。
しかし、そんな状況だからこそ輝く「攻め方」があります。
今回は、増水時のポイント選定や、シーズン終盤における餌釣りの有効性、そして釣行後の楽しみである地元グルメまで、余すところなくレポートします。
来シーズンの解禁が待ち遠しくなるような、揖保川のポテンシャルを感じていただければ幸いです。
前回の釣行については下記の記事です。
シーズン終盤の餌選び|なぜ「ブドウ虫」が最適解なのか?
今回の釣行は朝7時スタート。
普段なら川に入って現地で川虫(ヒラタやキンパクなど)を採取するところですが、シーズン終盤の8月末ともなると、良質な川虫を確保するのは至難の業です。
また、貴重な朝マズメの時間を餌採りで消費したくないという思いもありました。
そこで今回選択したのは、釣具店で購入した「ブドウ虫」です。

ブドウ虫は少し高価な餌ではありますが、この時期には以下の絶大なメリットがあります。
- 視認性の高さ: 白く大きいため、少し濁りの入った増水時の川でも魚に見つけてもらいやすい。
- 餌持ちの良さ: 激しい流れの中でも針から外れにくく、手返し良く攻められる。
- 時間効率: 現地調達の手間が省け、入渓してすぐに第一投を投げられる。
ルアーフィッシングの楽しさも格別ですが、長竿を使い、自然の流れに同調させて魚と対話する「餌釣り」には、原点回帰のような趣があります。
今回はこのブドウ虫を武器に、未だ見ぬ大物を狙います。
増水した渓流は危険?それとも好機?「ヘチ狙い」の極意
いざ入渓地点の引原川上流・本流ポイントへ。

目の前に広がるのは、前日までの雨の影響で「爆増」した流れでした。
「これは釣りになるのか……?」
一瞬、不安がよぎるほどの水量です。
普段なら穏やかな瀬も、白泡を立てて激流と化しています。
しかし、ここで諦めてはいけません。
「増水は魚の警戒心を解くチャンス」でもあるのです。
このような状況下での私の攻略法はシンプルです。
- ガン玉を重くする:
普段より重めの「B」サイズを使用。激流に流されすぎず、底波(底付近のゆっくりした流れ)に確実に餌を届けるためです。 - 狙うは「ヨレ」と「ヘチ」
流心(川の真ん中の強い流れ)には、泳ぎが得意なさすがのアマゴも留まれません。
魚は必ず、岸際(ヘチ)や、岩裏の反転流(ヨレ)に避難しています。
足元のなんてことない岸際に、そっと仕掛けを馴染ませる。
すると、すぐに答えが返ってきました。
「ククッ!」
小気味よい反応とともに上がってきたのは、15cmほどのアマゴ。

やはり、魚は岸際に寄っていました。同じようなポイントを攻めると、立て続けにヒット。

小型が中心ですが、魚影の濃さは本流ならでは。
「来年も安泰だな」と思わせてくれる、元気なチビちゃんたちとの戯れも渓流釣りの醍醐味です。
狙い的中!24cmの良型アマゴを引きずり出したアプローチ
小型のアマゴと遊びながら釣り上がっていくと、見るからに魚が溜まっていそうな一級ポイントを発見しました。
激しい流れが大きな岩に当たり、その裏側で少し巻き込みながら緩やかになっているスポット。
「ここに主(ヌシ)がいるはずだ」 そう確信し、息を殺してアプローチします。
重めのガン玉を打った仕掛けを、流れの境目に投入。
餌が不自然に浮き上がらないよう、慎重にロッド操作を行いながら流していきます。
その瞬間でした。
目印がピタッと止まり、次の瞬間、手元に「ゴン!!」という重厚な衝撃が伝わりました。
小型の「ビビビッ」という引きとは明らかに違う、トルクのある首振り。
「これはデカい!」
増水した流れに乗られると厄介です。
長竿の弾力をフルに活かし、暴れる魚をいなしながら慎重に寄せます。
水面を割って姿を現したのは、美しいパーマークを纏った良型アマゴ。

ネットに収まったのは、24cmの立派な魚体でした。
このサイズになると、顔つきも精悍で迫力が違います。
さらに驚くことに、同じポイントへ再度仕掛けを入れると、今度は22cmがヒット。

そして立て続けに20㎝のアマゴもヒット!

どうやら増水時の避難場所として、良型のアマゴが一箇所に固まっていたようです。
このポイントだけで小型を含め6匹。
まさに「入れ食い」状態。
その後も20cmクラスを追加しましたが、さらに上流へ進もうとしたところで、水圧が強すぎて遡行(そこう)困難と判断。
安全第一で、ここで一度川から上がることにしました。
釣りの後は「道の駅みなみ波賀」へ!地元グルメと癒やしの時間
時刻はまだ9時前。
しかし、心は十分に満たされています。
「せっかくだから、このまま帰るのではなく、地元の美味しいものを食べて帰ろう」
そう思い立って向かったのは、釣り場からほど近い「道の駅みなみ波賀」です。
ここは揖保川水系を訪れる釣り人やキャンパーにとってのオアシス。
かつては渓流釣り大会の本部にもなっていた場所で、私にとっても思い出深いスポットです。
絶品ランチ「楓の里」の味噌カツ定食
道の駅に併設されているレストラン「楓の里」は11時オープン。

少し釣り(道の駅裏の川でも釣れます!)をして時間を潰し、開店と同時に入店しました。
注文したのは「味噌カツ定食」。

サクサクに揚げられた厚切りのカツに、濃厚な味噌ダレが絡んで、疲れた体に染み渡ります。
さらに嬉しいのが、ご飯・味噌汁・サラダがおかわり自由という点。
朝早くから活動してお腹が空いている釣り人には涙が出るほど嬉しいサービスです。
窓の外には、先ほどまで戦っていた引原川の清流が流れています。

美しい川を眺めながらの食事は、何物にも代えがたい贅沢な時間です。
デザートは必食!「ブルーベリーソフト」
食事の後は、売店エリアを散策。
この波賀町周辺は、実はフルーツの栽培も盛んです。
特に今の時期におすすめなのが、特産のブルーベリーを使ったソフトクリーム。

「ブルーベリーソフト」を購入し、一口。
濃厚なミルクの甘味の中に、ブルーベリーの爽やかな酸味が広がり、最高に美味しい!
期間限定フレーバーのようなので、訪れた際はぜひチェックしてみてください。
その他にも、地元のパン屋さんの焼き立てパンや、新鮮な野菜などが所狭しと並んでおり、家族へのお土産選びにも困りません。

釣果だけでなく、こうしたお土産話も持ち帰るのが、スマートな釣り人の嗜みですね。
2023年揖保川納竿|来シーズンに向けた振り返りと楽しみ
今回の最終釣行は、小型も含めると「ダブルツ抜け(20匹以上)」という素晴らしい釣果となりました。
増水という一見ネガティブな要素を、
- 「魚の居場所を絞り込む材料」
- 「太仕掛けでも食わせられる好条件」
として捉え直し、適切なアプローチ(重いガン玉、ブドウ虫、ヘチ狙い)ができたことが勝因だったと思います。
これで2023年の揖保川渓流釣りは幕を閉じ、2024年3月1日の解禁日まで長い禁漁期間に入ります。
シーズンを通して楽しませてくれた揖保川、そして美しいアマゴたちに感謝し、ロッドを置きたいと思います。
- 魚影の濃さ: 源流から本流まで、美しいアマゴやイワナに出会える。
- アクセスの良さ: 播磨地域からのアクセスが良く、道の駅などの拠点も充実。
- 多様な楽しみ方: ルアー、フライ、餌釣り、それぞれのスタイルで楽しめる懐の深さ。
少し寂しいですが、これからの季節は海でのアオリイカやメバル釣りにシフトチェンジです。
揖保川渓流釣り師の皆様、今シーズンもお疲れ様でした。
また来年の春、この川でお会いしましょう!
この記事を読んで「揖保川で釣りをしたい!」と思った方へ
禁漁期間中は、来シーズンに向けた道具のメンテナンスや、ポイントの予習に最適な時期です。
当ブログでは、揖保川のポイント開拓記事や、初心者向けのタックル紹介記事も多数公開しています。
ぜひ他の記事もチェックして、2024年の解禁ダッシュに備えてください!




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