渓流解禁から1ヶ月が経ち、春本番を迎えた4月初旬。
今回は、いつもの実績ポイントではなく「完全なる新規開拓」をテーマに、揖保川の未知なる支流へ挑んできました。
「ネットに情報がない川で、本当に魚は釣れるのか?」 「地図上の青い線(川)を頼りに、パラダイスは見つかるのか?」
そんな釣り人なら誰もが抱くワクワクと不安を胸に、山崎IC近郊の支流をランガンした実釣記録をお届けします。
厳しい状況下でのエリア選定や、餌釣りからルアーへの切り替え判断など、皆様の釣行のヒントになれば幸いです。
解禁時の釣行についてはこちらの記事をご覧ください。
戦略:メジャーなダム上ではなく、あえて「里川」を攻める
揖保川の渓流釣りといえば、引原ダムの上流エリアが鉄板ポイントとして知られています。
放流量も多く、魚影が濃いのは間違いありません。
しかし、今回の狙いはあえて「山崎ICから近い支流」です。
- 理由1: 引原ダム上流が好調という噂があるなら、同条件の別エリアも活性が上がっているはず。
- 理由2: 有名ポイントは人が多い。あえて情報の少ない支流で、スレていない魚を探したい。
- 理由3: 釣れれば、自宅(県南部)からのアクセスが良く、今後の「時短釣行」の強力な手札になる。
ネット検索しても10年前の情報がポツリと出る程度。
「釣れないから情報がない」のか「釣れるから隠されている」のか。
その真偽を確かめるべく、夜明けと共に現地へ向かいました。
支流その1:Googleマップで見つけた「渓相」の罠
ポイント①:見た目は100点、反応は0点
午前6時。
最初のポイントに到着です。
ここは事前にGoogleマップのストリートビューと航空写真を照らし合わせ、「入渓しやすく、瀬と淵のバランスが良い」と目星をつけていた場所。

実際に川辺に立つと、予想通り素晴らしい渓相が広がっていました。
水量は申し分なく、適度な落ち込みがあり、いかにもアマゴが着いていそうな雰囲気。
明るくなると同時に、まずは「餌釣り(脈釣り)」で慎重にアプローチを開始します。
「初場所の第1投目」 この緊張感こそ、新規開拓の醍醐味です。
しかし、期待とは裏腹に目印はピクリとも動きません。
最高のポイントに餌を流しても、魚からのシグナルは皆無。
釣り上がりながら観察して気づいたのは、「入渓のしやすさ」が仇となっている可能性でした。
- 川岸が踏み固められている
- 夏場はBBQや川遊びができそうな開けた地形
これらは「魚が抜かれている」あるいは「極度のプレッシャーがかかっている」典型的なサインです。
見た目の良さに惑わされず、早めの見切りが必要だと判断しました。
車では入れないエリアまで足を伸ばし、さらに上流へ移動します。
ここからは、ボサ(草木)が覆いかぶさる狭いポイントが増えるため、長竿の餌釣りから「ルアーフィッシング」へタックルを変更。

【当日のルアーセッティング】
- ロッド: 5ftクラスのショートロッド
- ルアー: 5cmクラスのシンキングミノー、スピナー
- 狙い: 手返し良く広範囲をサーチし、リアクションで食わせる
藪を漕ぎながらキャストを繰り返しますが、ここでも反応は渋いまま。
唯一、スピナーに一度だけチェイスがありましたが、食わせるまでには至りません。
ふと足元を見ると、新しいフェルトソールの足跡がくっきりと残っていました。
「情報の少ない支流」とはいえ、やはり釣り人の探求心は恐るべし。
先行者が入った直後であれば、この反応の無さも納得です。
この支流に魚がいないわけではないでしょうが、今の自分の腕とタイミングでは「答え」が出せないと判断。
ここで粘るよりも、大きく場所を変える場所移動を決断しました。
支流その2:春の絶景と、粘りの「ピンポイント撃ち」
ポイント①:桜回廊の美しさに癒やされるも…

時刻は8時半。
ボウズ(釣果ゼロ)の焦りを感じつつ、2本目の支流へ移動しました。
ここは過去に一度だけ訪れたことがあるエリアです。
川沿いには満開の桜が咲き誇り、揖保川本流沿いの桜回廊にも負けない絶景が広がっていました。
釣り人の特権とも言える、水面から見上げる桜。ロケーションは最高です。
しかし、ここでも魚からの反応はありません。
「景色はいいのに魚がいない」 渓流釣りあるあるですが、心が折れそうになる瞬間です。
雲行きとともに、私の精神状態も怪しくなってきました。
「このままでは帰れない」 最後の望みをかけ、この支流の最上流部へ車を走らせます。
ここも初めて竿を出す未踏のエリアです。
車を降りると、辺り一面にミツマタ(三椏)の黄色い花が咲き乱れ、独特の甘い香りが漂っていました。
春の渓流ならではの、五感を刺激する空間です。

川幅は非常に狭く、頭上には木々が覆いかぶさっています。
長竿はもちろん振れません。
ここで取り出したのは、再びルアーロッド。

攻略のキーポイントとしては次を意識しました。
- キャスト: サイドハンドやアンダーハンドで、ピンスポットへ低弾道キャスト。
- アクション: 移動距離を抑えた細かいトゥイッチ。狭い場所でいかにルアーを見せるかが勝負。
「ここしかない」という小さな落ち込みにミノーを撃ち込むと、着水と同時に黒い影が走りました。
「居る!」 諦めかけていた心に火がつきます。
慎重に次のキャストを決め、短い距離でヒラを打たせると…ヒット!
手元に伝わる重みは決して大きくありません。
しかし、水面を割って出てきたのは、パーマークが美しい天然のアマゴでした。

サイズは小ぶりですが、苦労して辿り着いた1匹の価値は、サイズでは測れません。 「やっと会えた…」 思わず声が漏れました。
その後も、同様の小場所を丁寧に撃っていくと、チェイスが頻発。
フッキングに至らないことも多いですが、明らかに魚の反応が変わりました。
サイズは全体的に小さいものの、この支流の最上流部には、美しい渓流魚たちが確かに息づいていました。
イワナが出そうな源流の雰囲気でしたが、釣れたのは全てアマゴ。
先行者の跡もありましたが、竿抜けポイント(人が狙いにくい場所)をルアーで丁寧に探ったことが、釣果に繋がったのだと思います。
釣行まとめ:新規開拓で見えた「楽園」の真実
今回の新規開拓釣行、トータル釣果はアマゴ3匹という結果でした。
数だけ見れば厳しい結果ですが、得られた情報は釣果以上の価値があります。
今回の学びと収穫
「地図だけでは「プレッシャー」は読めない」
Googleマップでどれほど良さそうに見えても、入渓しやすい場所は既に叩かれている可能性が高いです。
「入りにくい場所」こそが楽園への入り口かもしれません。
「ルアーの機動力が活きた」
開けた場所での餌釣りは不発でしたが、源流部の狭いポイントでのルアーフィッシングが功を奏しました。
状況に応じて釣法を変える柔軟性が、ボウズ回避の鍵でした。
「地元の利便性を再確認」
今回訪れた支流は山崎ICから近く、帰りの運転が非常に楽でした。
短時間釣行の選択肢として、この「小場所」を知れたことは大きな財産です。
今後の展望
一つ目の支流は不発でしたが、梅雨の増水時など条件が変われば化けるポテンシャルを感じました。
二つ目の支流は、型は小さいものの魚影を確認。
雨後のタイミングなら良型も期待できるかもしれません。
「情報は自分で足を使って稼ぐ」 これこそが渓流釣りの醍醐味であり、上達への近道だと再認識した1日でした。
次回は、季節も進んで活性が上がっているであろう引原川や三方川の本流エリアで、サイズアップを狙いたいと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
【参考:当日のタックルデータ】
これから揖保川水系に挑む方のための参考データです。
- ロッド: トラウトロッド 5.0ft UL(ウルトラライト)
- リール: 2000番台 ハイギアスピニングリール
- ライン: ナイロン 4lb
- ルアー:
- スミス D-コンタクト50(ヘビーシンキングミノー)
- AR-S スピナー 3.5g
- ウェーダー: 4月上旬はまだ水温が低いため、ネオプレーンソックス+ウェーディングシューズ推奨




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