雨の揖保川で尺イワナに迫る!沈黙の本流を捨てて「深山渓谷」を選んだ理由と12匹の釣果

渓流釣り

仕事から帰宅した部屋の温度計が30℃を指しているのを見て、いよいよ夏の足音が聞こえてきたなと感じる今日この頃。

しかし、夏本番の前には釣り人にとって複雑な季節「梅雨」がやってきます。

「雨か…濡れるし寒いし嫌だな」 そう思う方も多いかもしれませんが、実は雨の渓流こそ、プレッシャーが下がり魚の活性が上がる「Xデー」になり得ることをご存じでしょうか?

今回は、前回に引き続きあいにくの雨模様となった5月下旬、揖保川へ釣行した際のレポートをお届けします。

本流での餌釣りから支流でのルアーフィッシングへ。
状況に合わせた「場所」と「釣り方」の判断が、最終的に素晴らしい釣果をもたらしてくれました。

雨の日の攻略法や、当日のヒットルアーの傾向まで詳しく解説しますので、次回の釣行の参考にしていただければ幸いです。

雨の渓流はハイリスク・ハイリターン?当日の状況判断

ここ10日ほど晴天が続いていた揖保川エリアですが、釣行日当日は狙いすましたかのような雨。

しかし、釣り人にとって「雨」は必ずしもネガティブな要素だけではありません。

私の経験上、雨の渓流には以下のような側面があります。

メリット
  • プレッシャーの低下
    釣り人が減り、ポイントを独占しやすくなる。
  • 魚の警戒心が薄れる
    水面を叩く雨音やローライト(薄暗さ)により、魚が不用意に口を使いやすくなる。
  • 適度な増水
    渇水気味だった川に酸素とエサが供給され、活性が上がる。
デメリット
  • 危険度の増加
    足元が滑りやすくなる、急な増水・鉄砲水の危険。
  • 濁り
    カフェオレ色に濁るとルアーが見えなくなり、釣りにならない。

今回の揖保川は、雨こそ降っているものの風は無風であることが救い。

道中、川の様子を確認しましたが、濁流になるほどの大きな増水は見られません。
「これなら安全に釣りが成立する」と判断し、まずは本流のアマゴ狙いからスタートすることにしました。

【注意!】
雨の日の渓流釣りは、上流でのゲリラ豪雨による急激な増水のリスクがあります。
必ず天気予報と水位情報をこまめに確認し、少しでも危険を感じたら即座に撤退する勇気を持ってください。

揖保川本流の現実:期待と裏腹の沈黙

空が白む頃、まずは揖保川本流の実績ポイントへ入りました。

今回は川虫を採取せず、釣具店で購入した「ブドウ虫」を使用しました。
雨による濁りが若干入っている状況では、シルエットがはっきりして匂いも強いブドウ虫が有効だと考えたからです。

「雨で人の気配も消えているし、これは爆釣では?」 そんな期待を胸に仕掛けを流しますが、予想に反して魚からのシグナルがありません。

いつもなら良型が潜んでいる深場(淵)を流しても無反応。
連日の晴天で多くの釣り人が入った後だったのでしょう。
魚が極度にスレている(警戒している)気配が濃厚でした。

「ここで一匹も出ないのは厳しい…」

そう考え、目印を高く上げて底波を這わせるように流すと、ようやく反応が! 合わせると強烈な引き!

「これは尺アマゴか!?」と期待して慎重に寄せましたが、ネットに入ったのは20cm程のアマゴ。

よく見ると口元に針傷があり、今回は背中にスレ掛かりしていました。 おそらく一度誰かに釣られた個体か、口を使った直後に違和感を感じて吐き出した際に、体に掛かったのでしょう。

結局、本流で手にしたのはこのスレ掛かりの1匹と、リリースサイズの小さなアマゴのみ。

雨脚も強まり、本流の増水リスクも高まってきたため、ここで大きな決断を迫られます。

戦略変更:イワナの楽園「深山渓谷」へ

本流での釣果が見込めない上、増水の恐怖も出てきました。

ここで「今日はダメだ」と帰る選択肢もありましたが、私は「場所を大きく変える」という選択をしました。

目指したのはダムのさらに上流、イワナの魚影が濃い支流「深山渓谷」です。

なぜ支流(源流部)へ移動したのか?
  1. 水質: ダム上の支流は本流に比べて濁りの入りが遅く、釣りが成立しやすい。
  2. 魚種: アマゴよりも貪欲なイワナの方が、ルアーへの反応が良い場合が多い。
  3. 検証: 前回の釣行で尺イワナが出た場所が「まぐれ」だったのか確認したかった。

移動中の道は本降りの雨。
当然、他の釣り人の車とはすれ違いもしません。

ちなみに、今年は例年に比べて揖保川で鮎釣りをしている釣り人の姿が少ないように感じます。
友釣り発祥の地として知られる揖保川だけに少し心配ですが、渓流魚にとっては静かな環境が保たれているのかもしれません。

まぐれじゃなかった!釣果を分けたルアーローテーション術

渓谷に到着し、タックルを餌釣りからルアーに持ち替えます。
ここからは「足で稼ぐ」釣りです。

開始早々の答え合わせ

入渓してすぐの一投目。
アップクロス(上流側)にキャストし、流れに乗せながらトゥイッチを入れると、黒い影が猛スピードでチェイス! そのままヒットしたのは22cmの良型イワナでした。

  • ヒットルアー: スピアヘッド リュウキ 38S

渓流ルアーの定番といえば「D-コンタクト(スミス)」が有名ですが、この日の、特にこのポイントでは「リュウキ(DUO)」への反応がすこぶる良好でした。

Dコンよりも少し体高があり、ヒラ打ちのアピールが強いリュウキが、雨で少し視界の悪い水中でイワナに気づかせやすかったのかもしれません。

見切られた時の「スピナー」投入

深山渓谷の魚影は特筆すべき濃さでした。

「ここはいそうだな」と思うポイントには、ほぼ100%イワナが潜んでいます。

20cm、24cmと順調にキャッチを重ねますが、数回キャストするとさすがに見切られる場面も。

ミノーへの追いが悪くなった時、私が投入したのは「スピナー」です。

ミノーの「点と線の動き」から、スピナーの「ブレードの回転波動」へ。

ルアーの性質をガラッと変えることで、一度は見切ったイワナが再び口を使いました。

ルアーチェンジで魚のスイッチを入れ直す、この駆け引きこそルアーフィッシングの醍醐味です。

尺上との攻防、そしてハンドメイドミノーの威力

さらに上流へ遡行すると、魚止めとなる小滝が現れました。
「大物はここにいる」と確信しミノーを通すと、3匹のイワナがワラワラと湧いてきました。

  1. 20cmクラス
  2. 27cmクラス
  3. 明らかに尺(30cm)を超えている黒い影!

最初に27cmクラスがヒットしましたが、惜しくもバラし。

しかし、まだチャンスはあります。再度ミノーを通しますが、一度警戒した彼らは簡単には食いません。
スピナー、スプーンと試しますが反応なし。

ここで取り出した切り札が、以前購入した「アワビ貼りのハンドメイドミノー」です。

市販のプラスチックルアーには出せない、バルサ素材特有のキビキビとした動きと、アワビシートの妖艶な輝き。 流れの底付近を、移動距離を抑えてネチネチと誘う(ステイさせるイメージ)と…

「ドンッ!」

重々しいアタリと共にロッドが絞り込まれます。

慎重にファイトしてネットインしたのは、この日最大の27.5cmのイワナ

アワビ貼りのハンドメイドルアー。よく釣れる。

尺には届きませんでしたが、太く逞しい素晴らしい魚体でした。

釣行のまとめ:雨の揖保川攻略のカギ

11時前、雨脚も強まったため安全を考慮して納竿(脱渓)しました。

【本日の釣果】

  • イワナ:12匹(最大27.5cm) ※食べる分として4匹キープ、残りはリリース
  • アマゴ:2匹(本流にて)

今回の釣行で得られた「再現性のある気づき」をまとめます。

  1. 本流が見えなければ支流へ走れ
    本流がスレていたり増水気味の時は、上流の支流(特にダム上)がパラダイスになっている可能性があります。固執せずに移動する判断力が釣果を分けました。
  2. 深山渓谷のポテンシャル
    前回に続き良型が連発しました。これは「まぐれ」ではなく、確実に魚が着いています。ただし、釣り切ってしまうと回復に時間がかかるため、キャッチ&リリースを心がけるなど資源保護も意識したいところです。
  3. ルアーの「強さ」と「素材」の使い分
    今回はDコンタクトよりもアピールの強い「リュウキ」や、波動の違う「スピナー」、食わせ能力の高い「ハンドメイド」の使い分けがハマりました。一つのルアーで粘らず、反応を見てこまめに変えることが数を伸ばすコツです。

次回の展望】

揖保川支流で安定して釣れる場所を確保できたのは大きな収穫でした。
しかし、同じ場所ばかり攻めると魚がスレてしまうため、次回はまた別の支流を開拓してみようと思います。

これから本格的な梅雨、そして夏シーズン。
ゲリラ豪雨や熱中症には十分注意しつつ、皆さんも雨の切れ間を狙って渓流へ出かけてみてはいかがでしょうか?
思わぬ大物が、あなたを待っているかもしれません。

それでは、また次回の釣行記でお会いしましょう!

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