梅雨の合間の貴重な快晴。
2024年6月中旬、兵庫県が誇る清流・揖保川へ向かいました。
街中では朝の通勤だけで汗ばむ季節ですが、渓流には涼と美しい魚が待っています。
今回は本流での餌釣りをメインに、後半はルアーでダム上のポイントを探るプランです。
しかし、現地に到着して川を覗き込むと、そこには厳しい現実が待っていました。
「圧倒的な渇水」です。
ここ最近、まとまった雨が降っていない影響で、揖保川の水位は平水よりもかなり低い状態。
渓流釣りにおいて「適度な増水」は魚の警戒心を解き、活性を上げるプラス要素ですが、「渇水」は魚が神経質になり、ポイントも絞りづらくなるため、釣り人にとっては試練の時と言えます。
それでも、「竿を出さなければ魚は釣れない」のが釣りの鉄則。
今回は、このタフなコンディション(渇水・高水温・クリアウォーター)をどう攻略するか、現地での試行錯誤をレポートします。
渇水・青藻の悪条件。タフコンディションを攻略するポイント選定
まずは餌となる「川虫」の確保からスタートです。
いつもの支流へ向かいましたが、ここもやはり渇水気味。
しかし、石をひっくり返してみると、生命感は十分にあります。
- ヒラタ
- クロカワムシ
- オニチョロ
サイズこそ小ぶりですが、十分な量が採れました。
特に渇水時は、市販のイクラやブドウ虫よりも、現地調達の川虫(マッチ・ザ・ベイト)が最強の武器になります。
魚が普段食べているものを使うことが、警戒心の高い魚に口を使わせる第一歩です。
準備を整え、本流のポイントへ。
先行者の車が確認できたため、いつも入る実績ポイントよりもかなり下流のエリアを選択しました。

川に降り立つと、流れが滞留している場所にはうっすらと「青藻」が発生しています。
これは水温上昇と水が動いていない証拠。良型のアマゴが潜むような「深くて速い瀬」や「酸素量の多い落ち込み」が極端に少なくなっています。
さらに、河原には多くの足跡が。
「渇水」「先行者のプレッシャー」「青藻」という三重苦。
ここで私は、「竿抜け(誰も狙っていない場所)」になりやすい、あえて浅い瀬や、岩盤の際(キワ)を丁寧に探る作戦に出ました。
開始早々の猛ラッシュ!小型アマゴ「爆湧き」から学ぶ数釣りの極意
仕掛けはシンプルに、6号針に採れたてのヒラタをセット。
目印を頼りに、慎重に流れに乗せます。
すると、第一投目から手元に伝わる明確な魚信! 「コツッ、ギュン!」 ひったくるような激しいアタリに合わせて竿を立てると、水面を割って飛び出したのは…
10cmほどのかわいいアマゴ。

「おお、小さい(笑)」
しかし、ここからが凄かったのです。
同じポイント、少し筋を変えたポイント、どこに投げても着水と同時にアタリがあります。

まさに「アマゴの絨毯」が敷かれているかのような状態。
- 目印に向かってジャンプしてくる高活性な個体
- 6号針を丸呑みする食欲旺盛なチビ
- 餌が着底する前に食いつくスピード勝負
10cm~15cmクラスの猛攻が止まりません。




開始わずか15分で「ツ抜け(10匹)」を達成。
本来なら嬉しいはずのツ抜けですが、狙いはあくまで本流の幅広・良型アマゴ。
このサイズが湧いているということは、良型が餌にありつく前に、小型が先に食べてしまっている可能性が高いのです。
予期せぬゲストの登場
猛ラッシュの中、時折違う引き味を見せる魚も混じりました。
まずは渓流釣りの定番の外道「カワムツ」

そして、驚かされたのは「鮎(アユ)」です。
川虫餌で鮎が釣れることは稀にありますが、今回は小さな群れで泳いでいた鮎がヒットしました。
漁協による放流個体でしょうか。
友釣りシーズンも目前に迫る揖保川の豊かさを感じさせてくれます。
粘った結果の「40匹」
結局、このポイントでは40匹のアマゴをキャッチ。
しかし、サイズは最大でも19cm止まり。

時折「お、これは良型か?」と思わせる引きがあっても、上げてみると18cmクラス。


本流育ちの幅広アマゴ特有の、竿を絞り込むような重厚な引きには出会えませんでした。
仕掛けが根掛かりでブレイクしたタイミングで、一旦竿を置くことに。
数は釣れましたが、サイズアップの課題が残る午前の部となりました。
気分転換にダム上へ。ルアーフィッシングで狙う良型と現実
昼食を挟んで気持ちを切り替え、午後はダム上のエリアへ大移動。
ここで餌を使い切ってしまったため、タックルをルアーロッド(スピニング)に持ち替えます。
ダム上の渓相は、本流とはまた違った魅力があります。
橋の上から覗き込むと、魚影が走るのが見えました。
「アブラハヤかな?」と思い目を凝らすと、なんとそれらも全てアマゴの稚魚。
「これだけ稚魚がいれば、それを狙う大型のフィッシュイーター(大型イワナやアマゴ)もいるはず!」 そうポジティブに捉え、ミノーを中心にキャストを開始します。
アップストリーム(上流側)にキャストし、トゥイッチを入れてヒラ打ちさせると、ワラワラと魚が追ってきます。
しかし、フッキングするのはやはり… 10cm強の小型アマゴとイワナ。
どうやらこの時期の揖保川は、本流・支流・ダム上を問わず、新子(今年生まれた魚)の活性がMAXになっているようです。
ルアーへの反応はすこぶる良いのですが、良型が潜んでいるであろうポイント(ボサ下や深み)を通しても、先に小型が反応してしまう状況でした。
【釣行まとめ】初夏の渇水期を楽しみ尽くすために必要な準備と心構え
今回の釣行結果は、合計42匹。
数だけ見れば「大爆釣」ですが、サイズは全て19cm以下(全リリース)という結果になりました。
今回の釣行から得られた、6月の渇水・揖保川攻略のヒントをまとめます。
時期の選定:良型狙いなら「5月」か「増水後」
例年、6月に入ると稚魚・小型サイズが一気に活性化し、どこからともなく湧いてきます。
これは魚の再生産が順調である証拠で喜ばしいことですが、良型をピンポイントで狙うのは難しくなります。
「尺アマゴ」や「幅広アマゴ」を狙うなら、小型がまだ大人しい5月以前、または雨後の増水で良型が動き出すタイミングを見計らうのがベストでしょう。
渇水時のアプローチ
渇水時は魚の警戒心が極限まで高まっています。
- 足音を立てない(忍び足で近づく)
- 細糸を使う(今回は0.4号あたりを使いましたが、0.2~0.3号まで落とすのも手です)
- 自然に流す(ドラグフリードリフトを徹底する) 基本に忠実なアプローチが、数釣りの釣果に繋がりました。
暑さ対策とマナー
6月ともなると、日中の日差しは強烈です。
特に本流のような遮るものがない場所では、熱中症リスクが高まります。
- 早朝勝負: 朝マズメに本流を攻め、日が昇ったら木陰のある支流へ移動する。
- 水分補給: こまめな給水と休憩を。
そして何より大切なのが、小型魚のリリースです。
今回のように小型が連発する場合、針を飲み込まれないように早合わせを心がけたり、バーブレスフックを使用してダメージを最小限に抑える配慮が必要です。
彼らが来年、立派な姿になって楽しませてくれることを願って、優しく川へ帰しましょう。
渇水という厳しい条件でも、工夫次第で魚からの反応は必ず返ってきます。
みなさんも、熱中症対策を万全にして、初夏の揖保川で美しい渓流魚と遊んでみてはいかがでしょうか?




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