暦は8月下旬。
蝉時雨が降り注ぐ中、3月1日から始まった揖保川の渓流釣りシーズンも、いよいよ禁漁へのカウントダウンが始まりました。
今回は、今シーズン最後となる「本流での餌釣り」へ。
しかし、事前情報通り、川はこれ以上ないほどの「超・渇水モード」。
雨が降らないことによる減水、そして高水温。
渓流魚にとっても、釣り人にとっても過酷なコンディションです。
「果たして、この状況でアマゴは口を使ってくれるのか?」
「一発大物を狙えるポイントは残っているのか?」
今回は、そんなプレッシャーのかかる晩夏の揖保川で、良型アマゴを追い求めた記録と、渇水時ならではの攻略のヒントを共有します。
釣果情報としてだけでなく、厳しい状況を打破するための参考になれば幸いです。
【戦略】渇水・青藻発生時のポイント選定眼。「通説」を逆手に取る
明朝5時。
揖保川沿いを走りながら、まずは川の健康状態をチェックします。
予想はしていましたが、現実は想像以上にシビアでした。
- 平水時より大幅な減水
- 流れの緩い場所には青藻が大量発生
- 通常の一級ポイントが干上がっている
この状況下で、漫然と竿を出しても釣果は望めません。
そこで今回私が立てた戦略は、「あえての超有名ポイント(メジャーフィールド)」狙いです。
通常、プレッシャーを避けるために人が少ない場所を探すのがセオリーです。
しかし、今回のような極端な渇水時は話が別です。
- 水量の確保: 有名なポイントは、元々川幅があり水深がある場所が多いです。渇水時でも「魚が生きられる最低限の水量と酸素」が残っています。
- 流れの強さ: 青藻は流れの緩い場所に発生します。有名ポイント特有の「太い流れ」の中だけは、青藻が流され、底石が綺麗な状態が保たれている可能性が高いと判断しました。
案の定、現地にはすでに先行者が2名。

「やはり厳しいか…」
と一瞬頭をよぎりましたが、川を見ると、他の場所とは違いしっかりとした流れが形成されています。
「ここなら、魚は必ずストックされている」
そう確信し、先行者の邪魔にならない距離感を保ちつつ、入渓を決意しました。
【実釣】警戒心MAXのアマゴを「ブドウ虫」で攻略。そして訪れたビッグバイト
今回選択した餌は、釣具店で購入した「ブドウ虫」です。
本来であれば、現地で川虫(ヒラタやクロカワムシ)を採取するのがマッチ・ザ・ベイト(その場の餌に合わせる)の基本です。
しかし、この連日の猛暑。川虫採りで体力を消耗し、集中力を欠いてしまっては元も子もありません。
「人間側のコンディション維持も釣果のうち」と割り切り、手返しの良さと視認性の良さでブドウ虫を選択しました。
夏のアマゴはセミなどの大型昆虫を捕食することもあり、意外とシルエットの大きい餌にも反応してくれることがあります。
仕掛けを投入して数投目。
目印が小刻みに震えます。
掛からなかったものの、これはチビアマゴではない反応。
「魚はいる。あとは食わせるレーンを合わせるだけ」
慎重に、流れの筋(流芯)の脇にある、少しヨレたポイントへ仕掛けを流し込みます。
水深があり、かつ酸素量も豊富な「一級の着き場」です。
流れに馴染ませ、仕掛けが底波を噛んだ瞬間。
ピタッ。
目印が不自然に止まりました。
根掛かりか? いや、これは生物の反応!
間髪入れず、鋭く合わせを入れます。
ゴンッ!!
手元に伝わる重量感。
そして竿を一気に絞り込む強烈な首振り。
「デカい!」 間違いなく良型です。
流れに乗って疾走する魚体。
竿で必死にいなし、水面まで浮かせにかかります。
ギラリと光る銀影。
目測でも尺に近いかもしれない立派なアマゴです。
「よし!獲った!」
そう確信してタモに手を伸ばした、その一瞬でした。
プツン。
テンションが抜け、虚しく空を舞う仕掛け。
まさかのラインブレイクです。
【教訓】「逃した魚」から学ぶ、渇水期のタックル管理とアプローチ
呆然と立ち尽くす数秒間。
悔しさがこみ上げてきます。
なぜ切れたのか? 仕掛けを回収して確認すると、針とハリスの結び目付近で破断していました。
ここで、読者の皆様に強くお伝えしたい「渇水期の教訓」があります。
ラインチェックの重要性(特に渇水時)
前回釣行時の仕掛けをそのまま流用してしまったのが最大の敗因でした。
渇水時は、魚もストーン(石)の裏や岩盤のスリットなど、障害物にタイトに付きます。
そのため、通常よりもハリスが岩に擦れ、微細な傷が入っていることが多いのです。
「大物は忘れた頃にやってくる」
常に万全の状態で挑むべきでした。
「食い」の浅さとやり取り
水量が少なく、水温が高い夏場のアマゴは、活性が高いようでいて実は「食い」が浅いケースが多々あります。
また、水深がないため魚が横に走りやすく、ハリスへの負担が倍増します。
渇水時こそ、強引なやり取りは禁物。
竿の弾力を最大限に使い、もっと時間をかけて弱らせるべきでした。
その後、気を取り直して釣り続けますが、釣れてくるのは18cmまでの小型ばかり。


先ほどの大物が、このポイントの主(ヌシ)だったのでしょう。
千載一遇のチャンスを逃した代償は大きかったです。
【移動】「場所移動」は吉と出るか?減水河川の厳しい現実
最初のポイントでの釣果は5匹。
そして時刻はまだ7時。
「上流に行けば、水温も下がって活性が高い個体がいるかもしれない」
そんな淡い期待を抱き、さらに上流へ車を走らせます。
これが「吉」と出るか「凶」と出るか。
渓流釣りの難しいところです。
到着してみると、上流エリアはさらに深刻な状況でした。
いつもなら良型が潜む淵も、水量が半分以下。
こうなると、魚の警戒心は異常なほど高まります。
- 魚の逃げ場がない:ポイントが狭く、一匹釣ると他の魚が散ってしまう。
- 人間の気配が伝わりやすい:水が少ない分、足音や人影が水中に伝わりやすくなる。
結果、12cm程の「ベビーアマゴ」が果敢にアタックしてくるのみ。


陸生昆虫を模した餌釣りや、仕掛けの微調整など、引き出しを全て開けて試みましたが、良型の反応は皆無。
「ポイントが絞られる=釣りやすい」ではなく、「ポイントが消滅している」という現実を突きつけられました。
結局、日が高くなり水温上昇も懸念されたため、8時過ぎに早々の納竿(脱渓)としました。
それでも渓流釣りは面白い。来シーズンへの布石
今回の釣行を振り返ります。
- 釣果: アマゴ数匹(最大18cm程度)
- 状況: 深刻な渇水、高水温、青藻発生
- 反省: 良型のラインブレイク、ポイント移動の判断
道の駅「みなみ波賀」の裏手を見ても、川底が露出し、とても魚がストックできる状態ではありませんでした。

「水がないと釣りにならない」
当たり前のことですが、自然相手の遊びの厳しさを再認識させられた一日でした。
しかし、そんな状況でも、朝イチの一瞬のチャンスで良型を掛けられたこと(バラしましたが…)は、確かな収穫です。
「どんなに渇水でも、酸素と流れがある一等地には、必ず良い魚がついている」 この事実は、来シーズン以降の渇水対策において大きな自信になります。
さて、これで今シーズンの餌釣りは終了です。
不完全燃焼? いえいえ、この悔しさがあるからこそ、渓流釣りは辞められません。
次回は、今シーズン実績の高かった「イワナの渓」へ、ルアーロッドを片手に最終釣行へ向かいます。
揖保川のシーズンフィナーレ、最後は笑って終われるよう、全力で楽しんできます!
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。 皆様も、残りのシーズン、安全第一で良い釣りを!




コメント
お疲れ様でした〜
ホント渇水ですね。でも釣れるだけ良しとしましょ〜
今年も楽しく遊べましたね。また来年よろしくお願いします。
最終回も楽しみにしておりますよ〜
いや~今年は本当に雨が降らなくて苦戦しました。
なので若干不完全燃焼ではありますが、無事シーズンを終えられてよかったです。
また来年もご一緒しましょう!
引き続き鮎釣りを楽しんでくださいませ!