いよいよ本州も梅雨入りの気配。
雨の季節は気が滅入りがちですが、釣り人にとっては「あの魚」がハイシーズンを迎える待望の時期でもあります。
そう、今回のターゲットは「シロギス」です!
透き通るような美しい魚体から「海の女王」とも称されるキス。
繊細なアタリを楽しむゲーム性の高さはもちろん、天ぷらにした時のあの上品でふわふわな食感は、釣り人だけが味わえる特権です。
今回は、久しぶりに海釣りへ出撃。
以前、夜釣りで良型キスに出会った実績のある明石エリアへ向かいました。
「狙って釣る」のは約10年ぶり。果たして女王は微笑んでくれるのか?
実釣の様子に加え、ポイントの特徴や初心者の方にも分かりやすい仕掛けのコツも交えてレポートします。
意外な穴場?江井島海岸のポテンシャルと当日の状況
今回のスタート地点は、明石市の江井島(えいがしま)海岸。
実は当初予定していたポイントではなかったのですが(痛恨の寝坊により予定変更…同行の友人、申し訳ない!)、結果としてこの選択が吉と出るか凶と出るか、それも釣りの醍醐味です。
江井島海岸といえば、以前の記事でご紹介した「穴釣り」で根魚の魚影が濃いことは実証済み。
では、砂地を好むキスはどうでしょうか。
現地に到着すると、日はすでに昇り、釣り人だけでなく散歩を楽しむ地元の方々で賑わっていました。
このエリアは足場が比較的良く、のんびりとした雰囲気があるため、ファミリーフィッシングにも最適です。
【当日のコンディション】
- 天気:曇天(これが好都合!カンカン照りだと熱中症リスクが高まります)
- 風:微風
- 潮:動き始め
初心者必見!キス釣りのタックルと「引き釣り」の極意
ここで、今回使用した仕掛けと釣り方について少し詳しく解説します。
これからキス釣りを始めたい方はぜひ参考にしてください。
キス釣りは「待ち」ではなく「攻め」の釣りです!
よくある「投げ釣り」のイメージは、仕掛けをドボンと投げて、竿を置いてのんびりアタリを待つスタイルかもしれません。
しかし、キスの数は「足で稼ぐ」とも言われるように、積極的に誘う『引き釣り』が釣果を伸ばすカギです。
- キャストして着底させる。
- 竿先でサビくか、リールをゆっくり巻いて底をズルズルと引いてくる。
- キスがいる場所(海底のヨブやかけあがり)を通すと「ブルルッ!」と明確なアタリが出る。
このスタイルなら、常に竿を手に持っているため、竿立てを用意する必要もありませんし、魚との対話をダイレクトに楽しめます。
今回のタックル設定はこのとおり。

ポイントとして、キスは口が小さいので、一匹掛けではなく半分に切って針につけます。
タラシを短くすることで、吸い込みを良くし、フッキング率を高めます。
そして遠投は不要なので、シーバスロッドやエギングロッドでも代用可能です。
私は手返し重視のライトな構成で挑みます。
おもりについてがちょい投げ用のジェット天秤など、根掛かり回避性能が高いものがおすすめ。
餌は定番のイシゴカイを使います。
実釣開始!藻場との戦いと「ピンギス」の正体
準備が整ったところで、漁港側の石畳の突堤から実釣スタートです。

東側の突堤にも先行者がおり、人気の高さが伺えます。
曇り空のおかげで快適に竿を振れるのはありがたいですね。
淡路島方面へ向かって、フルキャスト!

着底を確認し、ゆっくりとリールを巻いてきます。
すると、竿先に「プルプルッ」という独特の感触。
「お、いきなり来たか?」 しかし、アワセを入れても乗りません。
回収した仕掛けを見ると、エサだけが見事に取られています。
「何かがいる…」
フグなどのエサ取りの可能性もありますが、海の中は生命感に溢れているようです。
しかし、ここで問題発生。
明石エリア特有の「海藻」です。
底を引いてくると、3投中2投の確率で千切れた海藻や藻場に仕掛けが突っ込みます。
「ズンッ」と重くなり、海藻の塊を回収する作業はなかなかのストレス。
藻に針が埋もれてしまっては、当然魚も食ってきません。
対策として、藻を感じたら無理に引かず、竿を大きく煽って仕掛けを浮かせ、藻の上を通すイメージでかわします。
根気強く打ち返していると、ようやく明確なヒット!
巻き上げの手応えは軽いですが、上がってきたのは本命、シロギスです!

サイズはいわゆる「ピンギス(ピンのように細く小さいキス)」。
秋口によく見られるサイズですが、この時期でも混じるようです。
隣で釣っていた友人は良型を上げていたので、投げるポイントや距離によってサイズにバラつきがあるのかもしれません。
ポツポツとは釣れますが、藻のストレスとサイズの伸び悩み。「数釣りの醍醐味」を味わうには少し物足りない展開です。
時計を見ると9時前。
「このまま粘るか、移動するか」。
釣りにおける重要な決断ですが、今回は思い切って場所を変えることにしました。
状況判断で釣果アップ!屏風ヶ浦海岸への移動戦略
江井島海岸から少し東へ移動し、屏風ヶ浦(びょうぶがうら)海岸へやってきました。

ここは広大な砂浜が広がるエリア。
エギングやアナゴ釣り、メバリングではよく訪れるホームグラウンド的な場所ですが、キス狙いで竿を出すのは初めてです。
海面を見ると、江井島よりも潮通しが良さそうな雰囲気。
「これは釣れそうだ」という釣り人の勘が働きます。
第1投目。 底を引いてくると…軽い!
江井島海岸で苦しめられた海藻がほとんど絡んできません。
これならストレスなく、広範囲をテンポよく探ることができます。
「釣り場の選択ミスだったか…?」といささか反省しつつも、快適な引き釣りを再開。
するとすぐに反応があります。
本命のキスではありませんが、テンコチやベラ、フグが釣れます。
五目釣りの様相を呈してきましたが、肝心のキスがなかなか顔を見せません。
忘れた頃に釣れてもやはり「ピンギス」。
そんな中、ひときわ強烈な引き込みが! 「これはデカいキスか?!」と期待して巻き上げると、海面に現れたのは鮮やかな緑色。

22cmの良型キュウセン(ベラ)でした。
関西では「ギザミ」とも呼ばれ、高級食材として扱われることもある魚です。
見た目のドギツイ色合いで敬遠する方もいますが、白身で非常に美味。
「これはいいお土産ができた」とキープ決定です。
その後、11時頃になると日差しが出てきて気温が急上昇。
アタリも遠のいたため、無理をせず納竿としました。
釣行のまとめ:明石の恵みを「天ぷら」で頂く至福の時間
今回の釣果は以下の通り。
- シロギス: 5匹(ピンギス中心)
- キュウセン: 1匹(22cm良型)
- その他リリース多数
正直なところ、「爆釣!」とは言えない少し寂しい結果となってしまいました。
「ピンギスの連掛け」をイメージしていただけに、悔しさが残ります。
やはり自然相手、思い通りにはいきませんね。
しかし、「江井島~屏風ヶ浦エリアで、手軽にキス釣りが成立する」という事実を確認できたのは大きな収穫です。
遠征せずとも、地元の身近な海で遊べるのは素晴らしいことです。
帰宅後は、釣り人の特権である料理タイムです。
キスは背開きにして、骨を取り除きます。
小さいので繊細な作業ですが、ここを丁寧にすると仕上がりが違います。
キュウセンはウロコを引き、三枚におろします。
これらをカラッと天ぷらに。

揚げたてのキスを塩で一口。
「サクッ…フワッ…」 衣の香ばしさの後、キスの身が口の中でほどけ、上品な甘みが広がります。
やはりキスの天ぷらは別格。子供たちもスナック感覚で「美味しい!」とあっという間に完食してくれました。
キュウセンも身がしっかりしており、キスとはまた違ったプリプリとした食感で美味でした。
明石エリアのシロギス釣りは、6月~9月頃まで楽しめます。
今回の教訓は「ポイントによる底質の差」でした。
海藻が多い場所、砂地が綺麗な場所、それぞれの特徴を理解してランガン(場所移動)することで、釣果は確実に変わります。
次回はサイズアップと数釣りのリベンジを誓い、また明石の海へ出かけたいと思います。
皆さんも、次の週末は竿を持って「海の女王」に会いに行ってみてはいかがでしょうか?




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