【渓流釣り完全ガイド】初心者が最初に揃えるべき装備・道具選びの決定版(餌釣り編)

渓流釣り

近年、キャンプブームやアウトドア需要の高まりとともに、大自然の中で美しい魚と対峙する「渓流釣り」への注目が一気に高まっています。

私のホームリバーである兵庫県の揖保川でも、かれこれ10年以上竿を振っていますが、ここ数年で新しい釣り人を見かける機会が明らかに増えました。

しかし、渓流釣りは海釣りの堤防などに比べると、少し敷居が高く感じるのも事実です。

「渓流釣りを始めてみたい! でも、どんな装備や道具を揃えればいいのかわからない…」
「高い竿を買って失敗したくないし、最低限なにがあれば釣りが成立するの?」

そんな悩みを持つ方のために、この記事では「渓流釣り(餌釣り)に必要な装備や道具の選び方」を、私の実体験と失敗談を交えて徹底的に解説します。

カタログスペックだけでは分からない「現場で本当に使える道具」の基準を知ることで、無駄な出費を抑え、最短距離で最初の一匹に出会うことができます。
ぜひ、道具選びの参考にしてください。

※今回は初心者の方が入門しやすい「餌釣り(ミャク釣り)」に絞って解説します。
 ルアーフィッシング編は別途紹介します!

渓流竿(ロッド)|釣果と疲労度を左右する最重要ギア

まずは、これがなければ始まらない「渓流竿」選びです。

渓流竿は、リールを使わない「のべ竿」を使用します。
シンプルな道具だからこそ、その性能差がダイレクトに釣果や快適性に直結します。

最初の一本を選ぶ際に、必ずチェックすべきポイントは以下の4点です。

渓流竿選びのチェックポイント

結論から言うと、最初の一本は「6m前後」の「軽量」な竿で、「長さ調整機能」がついているものを強く推奨します。

なぜ「長さ調整機能」と「軽さ」が重要なのか?

私が現在愛用しているのは、シマノの「天平(てんぴょう)ZZ 硬調61」というモデルです。
いわゆるエントリーモデルですが、実釣性能はハイエンド機に迫るほど優秀です。

シマノの渓流竿「天平」、いわゆるエントリーモデルですが本当に優秀です

まず長さについてですが、渓流釣りでは、川幅が広い場所もあれば、頭上に木が生い茂る狭い場所もあります。
シマノなら「ズーム」、ダイワなら「マルチレングス」と呼ばれる長さ調整機能があれば、例えば「54cm⇔58cm⇔61cm」のように、一本の竿で3通りの長さを使い分けることができます。

  • 開けた場所: 最長(6.1m)にして遠くのポイントを攻める。
  • 木が被る場所: 短く(5.4m)して、枝に仕掛けが絡むトラブルを防ぐ。

この機能があるだけで、「川幅が広くて届かない」「竿が長すぎて釣りができない」というポイントを劇的に減らすことができます。

そして、軽さは正義です。
「たかが数十グラムの差でしょ?」と思われるかもしれません。

しかし、6mの長い棒の先端を持って支える物理的な負荷(モーメント)を想像してください。

一日中竿を振り続け、微細なアタリを取る渓流釣りにおいて、重い竿は腕への負担が凄まじいです。
腕が疲れると、竿先がブレてアタリが分からなくなり、仕掛けの操作も雑になります。

結果、「重い竿=釣れない・疲れる・嫌になる」という悪循環に陥ります。

初心者の頃、安価で重い竿を使って後悔した私が断言します。
予算が許す限り、軽い竿を選んでください。

続いて竿の調子です。
渓流竿の硬さは「中硬」「硬調」「硬硬調」「超硬」などで表されます。

  • 柔らかい(中硬): 食い込みは良いが、風に弱く、魚を寄せるのに技術が必要。
  • 硬い(超硬): パワーはあるが、軽い仕掛けを飛ばしにくく、魚に違和感を与えやすい。

その中間の「硬調」は、振り込み(キャスト)もしやすく、掛かった魚を適度にいなして取り込めるため、初心者に最適なバランスです。

次に仕舞寸法です。
これは持ち運びの観点から、シンプルにできるだけ短くなるものを選んで下さい。
60cmまでを目安にすれば良いです。

仕掛け(ライン・針・オモリ)|シンプルだからこそ奥が深い

渓流竿と並んで重要なのが「仕掛け」です。
渓流の餌釣りでは、ウキを使わず、目印の動きや手元の感触でアタリを取る「ミャク釣り」が基本となります。

渓流釣りの仕掛けに必要なもの
パーツ推奨スペック備考
天井糸ナイロン 0.6〜0.8号竿先と道糸を繋ぐ糸。なくても可だが、あるとトラブル時に便利。
道糸ナイロン 0.2〜0.4号メインのライン。視認性の高い色付きは避ける(魚に見えるため)。
ハリスナイロン 0.15〜0.3号針を結ぶ糸。道糸より細くし、根掛かり時にここが切れるようにする。
目印専用目印(2〜3色)ウキの代わり。視認性の高い蛍光色を使用。
ガン玉3号〜2Bオモリ。水深や流速に合わせて交換する。
渓流針 4号〜6号ヤマメ、アマゴ、イワナ用など対象魚に合わせる。

基本の仕掛け構成(6m竿の場合)

市販の「渓流釣り完全セット」も便利ですが、糸が太すぎて魚に見切られたり、長さが合わなかったりすることが多いです。
コストパフォーマンスと実釣力を考えるなら、自分で仕掛けを作る(結ぶ)ことをおすすめします。
難しくありません。

道糸とハリスの考え方(通し仕掛けのススメ)

右:道糸用、左:ハリス用 0.3号のとおし仕掛けでも可

渓流魚は目が非常に良く、太い糸や不自然な動きを極端に嫌います。

最初は「ハリス0.3号・道糸0.4号」程度から始めましょう。
これなら30cmクラスの魚が来ても簡単には切れません。
慣れてきたら、0.2号、0.15号と細くしていくことで、魚の食いが劇的に良くなります。

また、道糸とハリスを分けずに一本の糸で通す「通し仕掛け」も有効です。
結び目が減ることで強度が上がり、仕掛け作りもシンプルになります。

目印・ガン玉・針の選び方

目印:2種類くらいカラーがあれば十分

目印(インジケーター)は天候や背景(岩の色、木々の緑)によって見やすい色が異なります。

「蛍光オレンジ」「蛍光イエロー」「蛍光ピンク」など、最低2色を組み合わせて仕掛けに付けましょう。
毛糸タイプは浮力があり、微細なアタリを取りやすいのでおすすめです。

ガン玉、ジンタン

ガン玉(オモリ)についてですが、渓流釣りは「自然に餌を流す」のが極意です。

重すぎると不自然に沈み、軽すぎると浮き上がってしまいます。
G3(軽め)〜B〜2B(重め)を揃え、流れの強さに応じてこまめに交換するのが釣果アップの秘訣です。

DAIWAから発売されているガン玉・ジンタンケース 薄型で便利

薄型のケースに入れておくとポケットの中で嵩張りません。

色々試したが、このナノヤマメが一番掛かりが良い

針(フック)については、 私は「ナノヤマメ」や「一刀アマゴ」などの針を愛用しています。

  • 小さい針(4号): 食いは良いが、飲まれやすい。
  • 大きい針(7号): 飲まれにくいが、見切られやすい。

間をとって6号を基準にすると良いでしょう。
飲まれると魚へのダメージが大きくなるため、リリース前提なら大きめを選ぶのもマナーの一つです。

餌・餌箱|釣果を分ける「食わせ」の切り札

渓流魚にとって最高のご馳走は、その川に住んでいる「川虫(カゲロウやカワゲラの幼虫)」です。
現地で網を使って採取するのがベストですが、初心者にはハードルが高いのも事実。

ここでは、釣具店で購入できるおすすめの餌を紹介します。

釣り具屋で買える渓流釣りの餌

おそらく渓流釣り向きの餌で市販されていて手に入りやすいのは上記くらいかと思います。

結論から言うとシーズンをとおして、市販の餌ならブドウ虫をオススメします。

まずはイクラです。

釣具屋で売られているイクラ。結構お高いんです。

解禁初期はイクラは抜群の効果を発揮します。
ただ、餌持ちが極端に悪いため、あまり使い勝手はよくないです。

次にブドウ虫

これがブドウ虫。幼虫系が苦手な人ゴメンナサイ。

ブドウ虫は少し高価な餌ですが、6月頃~の虫系が活発になる時期にはかなり強力な餌になります。
川虫と遜色ないくらい釣れることもありました。
針にも付けやすく、保存も容易で長持ちします。

最後にミミズです。

釣具屋で売られているミミズ。細いタイプや太いタイプなど様々。

ミミズは雨後の増水時に効果抜群な餌になります。
ミミズは雨後に活動的になり、川に流されることが関係していると言われています。
実際に雨後はミミズで爆釣した経験が何度もあります。
ただ、針への掛け方に少しコツがいるのと、なんとも言えない匂いがありますので苦手な方も多いです。

次に餌箱ですが、首から掛けるタイプやベルトとおしの付いたタイプなど、色々なタイプがあります。
個人的なオススメは首掛けタイプです。

DAIWAのクールベイトという餌箱 さきほどのガン玉ケースが上蓋にピタッと収まる


私は昔、ベルトとおしのついたタイプを使用していましたが、ベルトとおしの部分がすぐに壊れてしまっていました。
加えて、手返しの面や立ちこんでも餌箱が水没しないというメリットから、首掛けタイプに変えましたが、7年以上経っても全然現役で、かなり快適です。

タモ(ランディングネット)|最後の一瞬を確実にする

どちらもハンドメイド。餌釣りかルアー釣りかでタモを使い分けている。

魚を掛けてから、手元に取り込むまでに必須となるのがタモです。

渓流魚は非常に滑りやすく、空中で針が外れることも多いため、タモを使わずに取り込むのはバラシ(逃げられること)の原因になります。

最初は釣具店で売っている2,000円〜3,000円程度の安価なもので十分です。
枠の直径は25cm〜30cm程度が渓流には適しています。

タモは頻繁に出し入れするため、背中や腰にぶら下げておきます。
この時、「マグネットリリーサー」という磁石で着脱できるアイテムを使うと、使いたい瞬間にワンタッチで外せて非常に便利です。

ただ、タモはよく落として無くすので、スパイラルコードなどを取り付けて、紛失防止対策を忘れずに!

紛失防止にスパイラルコードは必須です!

ウェーダー(胴長靴)|川の中は危険がいっぱい

ウェーダー選びのチェックポイント

川に立入って釣りをするために必須なアイテム「ウェーダー」
漁師や魚屋さんが身に付けているのを見たことがあると思います。
私が実際に使っているのはシマノの「ハイパーウェーダー」というウェーダーです。

渓流釣りでは、川の中を歩いてポイントを移動します。
普段着のスニーカーや長靴では、滑って転倒したり、水濡れで低体温症になるリスクがあります。

源流域や小渓流なら「ウエストハイ(腰まで)」で動きやすさを重視し、水深のある本流なら「チェストハイ(胸まで)」で浸水を防ぐのが一般的です。
最初は汎用性の高いウエストハイが良いです

使用されている素材については、ナイロンやゴアテックス(透湿素材)があります。
安価なナイロン製は蒸れますが丈夫です。
予算があれば、汗を外に逃がす「透湿素材(ゴアテックスなど)」を選ぶと、夏場でも快適に釣りができます。

最も重要なのは「ソール(靴底)」です。
渓流の石には苔が付いており、ゴム底やスパイク底では驚くほど滑ります。
必ず「フェルトソール」を選んでください。
フェルト生地が苔のヌメリに食いつき、グリップ力を発揮します。
安全に関わる部分なので、ここは妥協しないでください。

ベスト(フィッシングベスト)|「着る道具箱」

渓流釣りは移動を繰り返す「ランガンスタイル」です。
道具箱を持ち歩くことはできないため、必要な道具はすべて身につける必要があります。

フィッシングベストは、多数のポケットが配置されており、仕掛け、ガン玉、ハサミ、遊漁券、飲み物、軽食などを機能的に収納できます。

最近ではアウトドアブランドからおしゃれなデザインのものも出ていますし、ワークマンなどで安価で機能的なものを探すのも良いでしょう。

手袋(グローブ)|手と魚の保護

を掴んだり、藪を漕いだりする際の手の保護はもちろん、冬〜早春の防寒対策としても必須です。
指先がカットされている釣り専用タイプなら、細かい仕掛け作りもスムーズです。

釣れた魚へのダメージも減らすことができます。

時にこの素材じゃないとダメということはありませんが、渓流は水が冷たいのでネオプレンやクロロプレン素材のグローブだと保温してくれるので手がかじかんだりせず、シーズン初期は重宝します。

帽子|頭部を守る

渓流釣りは自然の中での楽しむ釣りのため、開けた場所では日射しがふりそそぎ、木々や岩々に囲まれた場所では頭上から石が落ちてくることもあります。

そのため、頭を守るために帽子は必須です。
快適さを求めるのであれば通気性や透湿性、速乾性の高いものを選べばよいですが、特に気にしなくても大丈夫です。

普段使用しているキャップやハットがあればそれでも全然OKです。

遊漁券(遊漁承認証)|釣りを楽しむためのパスポート

後に、絶対に忘れてはならないのが「遊漁券(ゆうぎょけん)」です。

渓流魚がいるほとんどの河川は、地元の漁業協同組合(漁協)によって管理されています。
漁協は、稚魚の放流、産卵場の整備、川の清掃などを行い、釣り場を維持しています。
私たちが釣りをするためには、その対価として遊漁料を支払う必要があります。

現場で監視員に見つかってから購入すると、割増料金(現場売り価格)を請求されることがほとんどです。
必ず釣りを始める前に購入しましょう。

「日券(1日のみ有効)」と「年券(シーズン中有効)」があります。
年に3回以上行くなら、年券の方がお得になるケースが多いです。

近くの釣具店、川沿いのコンビニ、「遊漁券販売所」の幟がある民家などで購入できます。
最近では「つりチケ」や「フィッシュパス」などのアプリでオンライン購入できる河川も増えています。

最後に|道具選びも釣りの楽しみの一つ

以上が、渓流釣り(餌釣り)を始めるために最低限必要な装備と道具の解説でした。

最初は覚えることが多くて大変に感じるかもしれません。
しかし、これらは全て「安全に、快適に、釣果を上げる」ために先人たちが工夫を重ねてきた結晶です。

まずは紹介した基準を参考に、予算に合わせて道具を揃えてみてください。
そして実際に川に立ち、美しい渓流魚を手にした瞬間、その道具たちはあなたにとってかけがえのない相棒になっているはずです。

道具が揃ったら、次は「実際の釣り方・ポイントの見極め方」です。
次回の記事では、渓流での歩き方から、魚がついているポイントの読み方まで、実践的なテクニックを解説します。お楽しみに!

準備を万全にして、安全で楽しい渓流釣りライフをスタートさせましょう!

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