気づけばもう2月も半ばが過ぎました。
もうそろそろ待ちに待った渓流釣りの解禁が近づいてきました!
地域によってはすでに解禁した河川もあることでしょう。
私のホームリバーである兵庫県の揖保川は3月1日に渓流解禁となります。
毎年この時期になるとワクワクして仕方がありません。
約半年の禁漁期間を経て、やっとまた美しい渓流魚に会えるこの喜び。
今年はどんなシーズンになるのか。
解禁はどこに行こうか、あの支流に新規開拓に行ってみようかな、本流のあのポイントもやってみたいな。
と、すでに楽しい妄想が止まりません。
そんな魅力的な渓流釣りとは一体どんな釣りなのか。
今回の記事では
- 渓流釣りってどんな釣り?
- どうやって釣るの?
- どんな魚が釣れるの?
- 渓流釣りの魅力とは?
といった内容についてお話ししていきたいと思います。
渓流釣りって?
趣味を聞かれて「渓流釣り」と答えると「あぁ~!鮎を釣るやつね」とよく言われます。
確かに長いのべ竿を使うところなど、似通ったところはありますが、違うんですよね。
数ある釣りの中でも恐らくマイナーな部類になる渓流釣り。
そして、なんとなく知っている人も『なんだか敷居の高い釣り』のイメージがありませんか?
昨今の釣り情勢から考えると、そもそも「釣り」というと海をイメージする人の方が多いかと思います。
そんな「渓流釣り」とはざっくり言うと、河川の上流部で行う釣りのことを言います。
山間部を流れるエリアが主となるため、木々や岩々に囲まれた自然の中で竿を振ります。
ターゲットとなるのはアマゴやヤマメ、イワナ、ニジマスなどです。
コイやフナなどのおなじみの川魚とは違い、水温が低く澄んだ水を好む魚種です。
どうやって釣るの?
釣り方は「餌」「ルアー」「フライ」のいずれかに大別されます。
餌釣りはのべ竿と呼ばれるリールの無い竿を使い、主にミャク釣りと呼ばれる釣り方で渓流魚を釣ります。
餌には現地に生息するキンパク、オニチョロ、クロカワムシなどの川虫やミミズ、ブドウ虫、イクラなどを使います。
ルアー釣りはルアー(疑似餌)を使った釣りで、渓流ではミノー、スピナー、スプーンといった種類のルアーがよく使われます。
バス釣りや海釣りでアジングやメバリングを経験したことがある人は感覚がつかみやすく、餌釣りより馴染みやすいかもしれません。
タックルも、始めはほかのルアー釣りのものを代用しても問題ないです。
フライフィッシングはフライと呼ばれる鳥の羽根などを針に巻き付けた毛ばりを使った釣り方です。
オモリを使うのではなく、ラインの重さを利用して投げるという独特なキャスティング技術が必要で、上級者向けの釣り方になります。
ちなみに餌釣りとフライフィッシングの中間のような「テンカラ釣り」という釣り方もあります。
おおざっぱに言うと餌釣りの針と餌の代わりに毛ばりを付けたものです。
釣れる魚は?
渓流釣りで釣れる魚はアマゴやヤマメ、イワナ、ニジマスなどの渓流魚です。
アマゴ
日本固有種の美しい魚で、体側にあるパーマークと呼ばれる楕円形の斑紋が特徴です。
「渓流の女王」と呼ばれ、渓流釣りのメインターゲットとなるアマゴ。
ほとんど同じ見た目のヤマメとは朱点があるかないかで区別されます。
アマゴは西日本の太平洋側、四国、九州の東部に生息し、ヤマメは北海道、本州の日本海側、関東以北の太平洋側、九州の西部に生息します。
河川で一生を過ごすタイプがアマゴと呼ばれ、海へ降海するタイプはサツキマスと呼ばれます。
漢字で書くと「雨子」となり、その名のとおり雨の多い梅雨の時期や、雨後によく釣れます。
遊泳力に優れており、良型は流れの中に潜んでいることがほとんどです。
川の中を素早く泳ぎまわり、川虫や昆虫、他の魚を捕食し、大型になると30cmを越える個体もいます。
ヤマメ
アマゴと同じく日本固有種で「渓流の女王」と呼ばれるヤマメ。
河川で一生を過ごすタイプがヤマメと呼ばれ、海へ降海するタイプはサクラマスと呼ばれます。
生態や特徴については生息する地域が異なる以外はアマゴと同じで、そのアマゴとの見た目の違いは朱点があるかないかで区別されます。
イワナ
イワナはアマゴやヤマメよりも冷水を好むため、河川の最上流部である源流域に生息しています。
「渓流の王者」と呼ばれ、ほとんどが河川で一生を過ごします。
降海型のイワナはエゾイワナのみで、降海した個体はアメマスと呼ばれます。
漢字で書くと「岩魚」か書かれ、岩陰でじっと餌を待つような警戒心が強い魚ですが、反面、かなり貪欲な魚でもあるため、ルアー釣りの際は割りと何度でもルアーにアタックしてきます。
源流域に生息するため、狙って釣行しないとなかなかお目にかかれません。
遊泳力はアマゴやヤマメに比べると高くなく、流心にいることはほとんどありません。
日本に生息するイワナは4種類(亜種)で、ニッコウイワナ、ヤマトイワナ、エゾイワナ、ゴギと呼ばれます。
ニジマス
管理釣り場などでおなじみのニジマス。
実はニジマスは外来種で、日本各地で放流が盛んにされています。
獰猛で何でも食べる雑食なので、地域によってはニジマスの存在が問題になっていることろもあるようです。
反面、高水温にも比較的強く育てやすく、養殖も容易なので品種改良や海水養殖も多くされています。
流れの緩やかな場所を好んで定位していることが多く、釣り味もアマゴと違ってあまり泳ぎまわらないので慣れてくるとニジマスが釣れたときは感覚でわかるようになります。
かなり大型化する個体も多く、私も自然河川で50cmオーバーのニジマスを釣ったことがあります。
渓流釣りの魅力とは?
渓流釣りの魅力とは何なのか。
なぜ私がそこまで渓流釣りにハマっているのかを改めて考えると、次の3点かと思います。
- 美しい大自然に囲まれて癒される!
- 釣れる渓流魚もまるで宝石のように美しい!
- 簡単ではないからこそハマる!
まず一番は「美しい大自然に囲まれて癒される」というところです。
青々とした樹々や澄んだ川のせせらぎ、鳥のさえずりなど、渓流釣りは市街地から外れた自然の中で四季の移り変わりを感じながら行う釣りであるため、普段見かけない景色や生き物に出会うことが出来ます。
渓流釣りでは基本的に他の釣り人と出会うことも珍しいため
『日々の仕事のストレスや煩わしいことを忘れ、自然の中でマイナスイオンを浴びてのんびり釣りをして過ごすことができる』
これが何と言っても渓流釣りの一番の魅力かと思います。
釣れても釣れなくてもいいんです、楽しめたらそれでいい。
釣行していると心が洗われるような美しい滝に出会ったり、絵画のような景色を見つけたり、ジブリの世界のような風景に遭遇することがあります。
不思議と心が満たされ、清々しい気持ちになれます。
ただ、自然の中に身を置くことになるので、熊や猪などの大型動物、ヤマビル、マダニといった歓迎されない生き物や落石や滑落などの危険とも常に隣り合わせです。
次に「釣れる渓流魚もまるで宝石のように美しい」というところです。
先述したアマゴやヤマメ、イワナ、ニジマスといった渓流魚は宝石のような美しさを持っています。
個体ごとに微妙に模様が異なっており、全く同じ模様はありません。
初めて釣り上げた時は美しさに惚れ惚れしたものです。
そして、渓流魚は食べると美味しいのも魅力の一つです。
塩焼きや唐揚げ、南蛮漬けや甘露煮など、どの料理にしてもとても美味しい魚です。
中々市場に出回りませんので、スーパーなどで見かけることはほぼないかと思います。
見かけても養殖個体がほとんどなので、天然ものの渓流魚を食べられるのは釣り人の特権です。
次に「簡単ではないからこそハマる」というところです。
私は渓流釣りを始めて2年間、解禁時の放流モノ以外全く渓流魚を釣り上げることができませんでした。
教えてくれる師もおらず、ポイントも分からない。
そのためか、釣れるのはアブラハヤやカワムツなどの外道ばかりでした。
その間、どうすれば釣れるのか考え、試し続け、やっとの思いで天然アマゴを釣り上げたときの喜びは形容しがたいものでした。
渓流釣りの仕掛けはすごくシンプルなんですが、その分竿の動かし方やオモリの重さ、投入するポイントなど細かいことで釣果が大きく変わります。
そんな渓流釣りは奥が深く、ついついハマってしまいます。
簡単に数釣りができるわけではないことが、渓流釣りのゲーム性を高めています。
そして、ふいに30cmを越えるいわゆる尺上などの大物が掛かった時のあの興奮もたまりません。
のべ竿と繊細な仕掛けで挑む大物との駆け引き。
一歩間違えると仕掛けを切られたり、ばらしてしまうため、緊張感のあるやりとりになり、それを制した時の喜びも一生忘れられません。
終わりに
渓流釣りは誰でも気軽に楽しめる釣りですが、自然の中での釣りになるため、何が起きるかわかりません。
私も単独釣行中に転倒し、肋骨を折ったことがあります。
そのため、民家が立ち並ぶ里川であれば単独でも大丈夫だと思いますが、山奥に入っていくようなポイントでは可能であれば慣れている経験者と同行することをオススメします。
また、渓流釣りはキャンプや山登りなどのアウトドアと親和性が高いので、それらと組み合わせることも楽しみ方の一つです。
私も渓流釣りを楽しんだあとは、椅子に腰かけて渓流の景色を眺めながら食事をしてゆっくりと過ごし、帰路に着くというパターンをよくやりますが、これまた贅沢な時間です。
少しでも渓流釣りの魅力が伝われば幸いです!
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